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マニア雑誌で見つけた素敵な人々
【歴史物 官能小説】

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【10】中学校女教師26歳の脳内性教育-1

【『すくーるらいふ』昭和XX年9月号『女教師日記』より。中学校女教師(二十六歳)

 職員会議で教頭先生から他校の男子生徒が痴漢行為を働いて補導されたとの話がありました。なんでも通学途中に乗っていたバスの中で、女子高校生に抱き着いたらしいです。

 「元気な事で結構じゃぁないですか」

 保健体育のY先生が豪快に笑いながら茶々を入れます。

 「馬鹿なことを言ってもらっちゃ困りますな」

 教頭先生が怒っていますが、いつものことなのでみんな笑っています。

 「生活指導担当のY先生がそのような指導態度では、いつなんどき我が校の生徒も補導されてもおかしくありませんな。困った困った」
 「ははは。大丈夫ですよ。こういうのは溜め込むのが最もよくない」

 Y先生が机の上に何冊かの雑誌をどんと置きました。いかがわしい写真や漫画が載っている雑誌です。

 「生徒指導の立場上、没収はしましたがね。まあ、男子なんていうもんは、まあまあ、なんとかやっとるもんですよ。教頭先生だって心当たりがあるでしょう」

 男の先生たちが一斉に笑います。

 「中学生がそのようないかがわしい雑誌を読んでおかしな妄想を膨らませるから不祥事が起きるんじゃありませんか。これからもそういうものを見つけたらちゃんと指導してくださいよ」
 「そうですな。まあ、心しておきましょう。その点、我が校は綺麗どころが揃っていますからね。雑誌などの世話にならなくとも…。ねえ、そうですよね、先生方」

 男の先生たちはニヤニヤしています。わたしの方をチラチラ見てくる先生もいます。

 「まあ、確かにそうではありますけどね」

 古株の女性教諭のS先生の発言に、先生たちがどっと笑います。S先生も笑っています。

 「はいはい。もう収拾がつかないね。じゃあ、今日も一日よろしくお願いしますよ」

 教頭先生が会議を締めました。

 「まったくY先生にはかないませんな」
 「S先生も満更ではなさそうだったがね」

 先生が口々に職員室を出ていきます。今日から中間考査。わたしも割り当てられた三年A組の教室に向かい試験の監督です。

 チャイムが鳴って生徒たちが問題を解き始めます。わたしは椅子に座ってその様子を眺めています。眺めているぐらいでほかにすることもありません。わたしはいつもの楽しみに興じます。

 目の前に座っているのはA君とわたしは心の中で会話を始めます。

 『ねえ、A君。キミもああいういやらしい雑誌で性欲を処理しているの? 先生に教えてほしいな』
 『してますよ、毎日。でも、先生だってしているんじゃないんですか? 性欲って女にもあるんでしょ』
 『ええ。もちろん女にも性欲はあるし、女だって性欲を処理しているわよ』
 『先生はどうやって処理しているんですか? やっぱりオナニーとかしているんですか?』
 『そうね。オナニーで処理するときもあるし…』
 『もしかしてセックスもしているんですか? 先生、まだ結婚していませんよね』
 『あら、セックスって結婚していなくてもできるのよ』
 『それぐらいはボクでも知ってますけど…でも、それって不純異性交遊じゃないんですか? 先生が不純異性交遊してもいいんですか』
 『そうよね。いつもそういうことしちゃダメって言っているものね。でも、先生、昨日の夜もセックスしちゃったの』
 『そうなんですか? ええっと、誰としているんですか? もしかしてY先生ですか?』
 『あら、どうしてそう思うの?』
 『だってY先生って、先生のことすごく好きなんでしょ? みんなそう噂してるし』
 『まあ、なんとなく、そうなのかなって思ってはいたけど。でも、先生はちゃんと彼氏がいるから大丈夫よ』
 『そうなんですか。どんな彼氏なんだろう』
 『あら、気になるの?』
 『だって…ボク、いつも先生のこと想像して…』
 『いいわよ、全部言わなくても。A君、いつも先生のこと想像して…オナニーしているのでしょ?』
 『す、すみません。は、恥ずかしいです』
 『いいのよ、謝らなくても。恥ずかしがらなくてもいいわ。そのかわり、どんな想像しているのか教えて』
 『その…先生が…Y先生にいやらしいことされているところ…』
 『いやらしいこと…? 言ってごらんなさい?』
 『…先生が、Y先生とホテルロマンスでセックスしているところ…す、すみません』
 『いいのよ。男の子ってそういうものだから。先生、うれしいわ。わたしのこと想像してくれてるなんて。でも、どうしてわたしなの?』
 『先生のことが好きだから…。でも、相手はY先生じゃないんですね…誰なんだろう』

 「先生、すいません!」

 B君が手を挙げています。わたしの妄想は突然打ち破られました。

 「どうしたの? B君」
 「ちょっと…おなか痛くなって」
 「仕方ないわね。はい。いってらっしゃい」

 B君が教室を飛び出していきます。テストも自分の名前を書くのがせいぜいの生徒です。普段からひょうきん者で不正を働くようなことはないことはわかっています。試験時間が終わるまでじっと待っていられないのでしょう。生徒たちも笑っています。

 教室に再び静寂が戻りわたしは妄想を再開します。

 『今度からは、Y先生なんかじゃなくて、A君がわたしとセックスしているところを想像してね』
 『えっ…いいんですか』
 『ええ。だって、先生もA君のことが好きだから。今日、セックスしましょうよ。教えてあげるわ…』

 チャイムが鳴りました。慌てて試験時間の終了を告げて解答用紙を回収し職員室に戻ります。教頭先生がわたしに視線を送っています。わたしが近づくとわたしの『彼氏』がそっと囁きます。

 「今日は七時に『ホテルロマンス』でいいですかな?」

 わたしは黙って頷きます。


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