「ボクとアニキの家庭の事情・1」-1
登場人物紹介
上原(かんばら)翔
182/65/19・♂
一人称はオレ。
本人全く自覚がないが、容姿淡麗・ハスキーボイスの持ち主で男/女問わず人気がある。
何度となく同性からも告白を受けるが基本的にノーマル。ただしブラコン。
上原 紅(こう)
149/42/15・♂
(人前での)一人称はボク。暴走モードでは俺。見た目○学生の高校一年生。
年がら年中「お嬢ちゃん」と呼ばれる程のロリフェイス。
声変わりはまだ(むしろこないんじゃねーかと密かに悩んでいる)
過去にヤバい親父に誘拐されかけてからアニキ以外の大人を信じていない。ブラコン。
ーアニキはずっとボクの理想だった。
切れ長の整った瞳。
濃い黒色をした真っ直ぐな髪質。
スラッと伸びた手足。
運動神経は良いし勉強も同世代では出来る方だろう。
ー対してボクは?
ともすれば実年齢よりも遥かに下に見られる童顔。
色素の薄いクセっ毛。
身長だって低い(牛乳飲んでるのに)
運動音痴というワケじゃないケド、スポーツとかで別に飛び抜けたモノがあるワケじゃない。
勉強はむしろ出来る方だとは思うけれど、アニキには多分一生叶わない。それは別にボクの勉強を教えたのがアニキだからとかそう言う問題じゃない。
何故ならー
アニキはボクの為に自分の人生を捨てたに等しいからだ。
「紅ー。そろそろ起きれ、朝だぞ」
いつもの朝。
高校生のボクはアニキに起こされる。
但しほとんどの場合、フツーに起きるコトはないケド。
「おーきーろっつーの!チコクすんぞ!」
むくり。
「お。珍しいな、今日は二回で起き・・・・・」くー・・・・・。
「てねぇな・・・・・起きろっつーの!」
ガクガク
アニキがボクの肩を掴んで揺する。
「んぁ・・・・・」
「んぁじゃないデショ。あーもー、ヨダレ出てる・・・・・ったく、可愛い顔が・・・・・」
数分後。
「もー、まぁたチコクじゃんかー!早く起こしてって言ってんのに!!」「てめーが起きねーんだろ!ったくいっつもいっつも・・・・・」
いつものようにボクとアニキの声がマンションの一室に響く。
「アニキー早くー」
ボクはそう言うとバイクのキーを持って先に外に出る。
「わーってるよ、靴くらい履かせろ」
いつからか、ボクが遅刻しそうになるとアニキがバイクで駅まで送ってくれるようになった。
そしてその頃からボクが朝、寝過ごす事が多くなった気がするとアニキは言う。
それはボクがいつまでもアニキに甘えてるからだってアニキは言う。
それは、半分は正解で半分間違いだとボクは思う。