幸せな日々を-1
恋人との嬉し恥ずかしの学校の屋上での昼食もすんで、2人でまったりと過ごしていたら突然彼女がこんなことを言ってきたんだ。
「ねぇ、なんか名言って残してみたくない?」
「えっ?何でまた急にそんなこと?」
「さっきの授業でね『我輩の辞書に不可能の文字はない』だったかな?その言葉を聞いた時にね、私も何か未来に残せるような名言残したいなぁ〜って思ってさ。」
「ふぅ〜ん。そっかぁ。う〜ん…名言…ねぇ……難しいなぁ。」
「まだ時間あるしさ、今日は2人で名言を考えてみようよ。」
「そうだなぁ…こんなのはどうかな。」
「えっ?もう出来たの?何々?早く聞かせて!」
「えっとね…『どんなに辛い事でもあと一歩踏み出す勇気を持って頑張ってみようよ。その一歩を乗り越えることが出来たらその先には幸せが待ってるはずだから。』ってな感じ。『辛』に『一』を足すと『幸』になるじゃん?」
「いい言葉だね。うん。名言だよそれは。でも何でそんな言葉思い付いたの?」
「まぁ実体験からだからね。最近実感してるんだ。」
「それって核心まで聞いてもいい?」
「う〜ん…なんか恥ずかしいんだけどなぁ…告白って俺からしたじゃん?告白ってさ、凄く勇気がいるしさ、だけどずっと片思いのままも辛くってさ、だから一歩踏み出してみたんだ。それでいま物凄く幸せだから…。」
「あ……ありがと………な…なんか聞いた私まで照れてきちゃった…。」
「な…なんか他にもさ…名言考えてみようか…。」
「そ…そうだね…。」
「う〜ん……。」
「あっ!私出来た。」
「じゃあ聞かせて。」
「うん。あのね、夜空を2人で見上げながらっていう状況なんだけど、恋人の願いってさ、叶えてあげたいじゃない?だから、その願いがもしどんなことでも、聞いてあげたいと思うのですよ。」
「うん。」
「だから『君が望むなら あの星を撃ち落としてみせる そして君が望むなら 私の全てを捧げます』っていうのは?あっ!ちなみにあの星っていうのは流れ星だったら最高じゃない!?」
「なんか名言というのかは微妙な気がするんだけど…。」
「え〜!……そうかなぁ…。」
「で…でもいい言葉だとは思うよ。」
「な…ならさ…言われてみたいと思う?」
「も…もちろん言われてみたいと思うよ。」
「じ…じゃあ言ってみたいと思う?」
「もちろん言ってみたいと思うよ。」
「じゃあ言って!」
「えっ!?いっ…今っ!?ま…まだ昼間だしさ…恥ずかしいしまた今度!約束するから!」
「約束だからね!」
「そ…そうだ。『あなたが空しく生きた今日は、昨日死んでいった者が、あれほど生きたいと願った明日』っていうのは?まぁある人の受け売りなんだけど…。」
「なんか話を流された気がするけど…まぁいいか…そうね。なんか凄く悲しいね…その言葉…凄く考えさせられるね。」
「うん。凄く考えさせられたんだ。だからこそ幸せで生きていかないとって思ったんだ。その為にも2人で生きていきたいって思って、それで告白したんだ。」
「じゃあこうして2人でいられるのもこの名言のおかげだね。」
「そうだね…なんか段々と名言じゃなくてロマンチックな言葉というか詩って感じがしてきたね。」
「うふふ。そうかも。」