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人妻奈岐
【熟女/人妻 官能小説】

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そして啓介と-1

 啓介は、奈岐の妊娠の知らせを聞いて喜んでいた。自分が親になるということの実感がそうさせたものらしかった。
 奈岐はその子が亮の種であることが実感としてわかっていたが、実際には啓介の子である可能性も十分にあり、啓介が喜んでいる以上、奈岐にとっては予定通り啓介の子として出産し、育てようと思った。
 その限りにおいて二人は間違いなく仕合せであった。

 その後、奈岐が亮と会うことはなかった。二人はあの時を十分過ぎるほどに生きた。あれ以上の二人の関係が有ろうとは思えなかった。
 亮は実際には奈岐より女々しかった。何度も奈岐に連絡を取った。奈岐の返答は無かった。そして亮はやむを得ず奈岐とチャットの中で逢おうとしたが、奈岐が肯んじなかった。それは奈岐にとってはやむを得ないことなのかもしれなかった。

 その後二年が経ち、奈岐と啓介と可愛い一歳の男の子の家庭は仕合せそのものだった。奈岐の乳の出はよく、男の子はすくすくと育ち、啓介は年を取ってできた子供なだけに子どもに首ったけで奈岐にとってこの上ない仕合せなのだった。

 さらに二年後、奈岐に第二子の女の子が生まれた。この女の子は正真正銘の啓介の子どもだった。さらに奈岐と啓介は仕合せに包まれた。



 さらに二年が経ち、奈岐は四十六歳になろうとしていた。子育てに忙しく充実していたが、啓介とのセックスはすでに無くなっていた。二番目の女の子ができてから二、三回抱いてくれただろうか。それきりになっていた。
 ある夏の夜、奈岐はふとチャットを思い出しアクセスしてみた。アカウントの残っている自分のお気に入りに亮の名前も残っていた。
 奈岐は亮に連絡を取った。そのメールには、
「りょうさん

 なぎです。すごくご無沙汰しています。
 お元気ですか?

 亮さんに逢いたい。
 来週日曜日、いつか待合わせしたところで待っています。 」
とあった。


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