多勢の視線-18
弘恵は監禁当初の記憶を呼び覚ましていた。
男共が笑いながら強いてきた〈調教〉は、この辱めの苦痛を与える《強制淫語》に重きが置かれていた。
口憚れる台詞が常用となれば、そこから更に下劣な台詞を吐く事への抵抗感は著しく低下する。
まるで自己暗示のようにジワジワと貞操観念が蝕まれていき、恥晒しな台詞すら吐けるようになっていく。
屈辱の絶頂に「イク」と叫ぶ事を強いられた弘恵は、続く肛門輪姦の最中に「ケツイキ」という最低な淫語を教え込まれた。
「言わされているだけ……」
そんな言い訳は、直ぐに心の中から消える。
淫語を叫ぶのが当たり前となり、気がつけば羞恥心も自尊心も打ち砕かれて、石ころのように足元に散らばる。
自制は利かず、何層にも塗り重ねられた条件反射は失せずに強まるばかり。
その《結果》がどうなるものかは、先程の弘恵を見れば立ち所に分かってもらえるはずだ……。
「ちッ…乳首…責め…が気持ち良くてッ…ヒック!ぱ、パンティ濡らしました…ッ」
「く…ッ……バリカンで剃られた赤…赤ちゃんマン…コが…ッ……うぅッ…お気に入りです」
「あ…ぎッ……クソ穴をほじられて…ッ…ふぎッ!ひぃッ……し、潮吹きました……ッ」
今、気力も体力も尽き果てた無抵抗な麗世につけ込んで、卑劣な鈴木は《調教》を始めている。
きっと麗世は、どれだけの恥辱的な台詞であっても、身体を壊されてしまうよりはマシだと思っているのだろう。
そう覚悟を決めた麗世に突きつけられたのは、家族や友人との関係で培ってきた[女性とはなんたるか]という常識や、自己肯定感を確立させるのに必要な自尊心を引き裂く《言葉の凶器》の羅列だった。
『ドスケベウサギのケツイキ交尾を見て興奮しました……言えよほらあ』
「ん"い"ッ…ど、ドスケベウサギ…ッ…ケツ…ケツイキ交尾を見てッ……興奮しました…ッ……ぐぐぐ!」
「………ッッ!」
乱れ狂った弘恵を肯定させられ、麗世自身もその道≠歩まされていると気づいたが、ここからの否定的な態度は〈性的〉という言葉を抜いた暴力に走る危険性が高い。
麗世が一歩でも引き下がれば、男は直ぐに踏み込んでくる。
譲歩が生み出すのは己れの破滅だと分かった時、もう麗世はそこから抜け出す術が無くなっていた……。
『二本のチンポで姦されたキンタマが羨ましい……今さら抵抗する気かあ?』
「にッ…二本のチンポ…ッ…ぐぐッ!姦された…き、キンタマ… ッッ……羨ましい…ッ……グズッ…う"ッぐ!」
恐怖に支配された麗世は、そらよりも弱い少女にまで堕ちていた。
自分可愛さに強要される台詞を口にし、ボロボロなそらを更に責めている。
間違いなく、何処かの誰かが助けてやらなければ、麗世はこのまま堕ちていくだろう。
だが、この空間に女性を助けてくれる誰か≠ヘいない。
「ヒックッ!ヒッ……け、ケツ…ッ……ケツイキしたい…ッ!……ヒック!ズズッ……あ"ぐ…ッ」
……麗世のスタイルの良さは、脚の長さはもちろんの事、やはりその小顔にあろう。
それ故に頭も小さく、脳みそも足りないのだ。
一度でも挿れた男根を、その目的も果たさずに抜き取る強姦魔がドコにいる。
カメラを何台も用意し、お客様には新作の告知までしているのだ。
「ん"ぎぃ"ぃ"ッッ!?ッッがあ"ぁ"ッ!!!」
姦される運命にある者が、許される理由など何処にもない。
麗世の《初めて》を奪いたいという欲望は全く変わってはおらず、幼胸の純潔を汚し、幼器から処女を略取し、肛門すらその対象にした。
肉付きの悪い小さな尻肉を精一杯に強張らせて思いきり締めてくる肛門の健気さに、鈴木は堪らない悦びに打ち震えていた。
「わ、私とッ…!!やッ…約束ぅッッ…ぎッ!?
い"ぎぃ"〜〜〜〜ッッッ!!!」
『さっきのドスケベウサギみてえにケツでイクんだろぉ?ほらイケよぉ!ケツイキするまでヤメねえからなあ!』
まだ少しでも良心の呵責が残っているならば、麗世は全てを失ったと思うだろう。
親友を失い、自分達と同じ犠牲者を傷つけ、そして人生も失った。
残されているのは、井形弘恵と同じ《淫獣》に堕ちた未来だけ……。
「はが…ッ!…ッあ"ぉ"ッッ……はふッ!」
肛門を姦されて尽きて≠「くとは、これぞ嘲笑に足る《醜態》である。
鈴木は揺れ動く麗世の髪をむんずと掴み、真正面のカメラに顔を向けさせた。
レンズに反射するその顔は、由芽のようなブタ鼻になって鼻穴を広げ、白目を剥いて脱力していた。
幼い胸をブルンプルンと揺らし、ガニ股を開いて踊りまくる。
シコる気にもならないくらい、あまりに下品なダンスを[reiyo.M]は魅せている。
眩いばかりに煌めく美少女の醜態は実に見苦しく、それ故に胸を吹き抜ける風は爽快で心地好い。
全てが抜け落ちて喪失した美少女に、鈴木は万感の思いを込めて欲望を射出した。
それは強姦でのみ得られる強烈な達成感であった……。