代弁者-8
二人の男は左右に別れ、それぞれに弘恵の膝に繋げられていた吊り革を掴んで股間を開かせた。
マットレスの上にベタンと開いた股間は秘丘の膨らみが目立ち、上半身が自由となった弘恵は上体を捻じ切るように捩ると、腹筋運動のように背中を丸めて叫び狂った。
「も"がッ!?お"…も"お"ッ!お"ぉ"ぅ"!」
金属音を鳴らすシェーバーが、喚き散らす泣き顔を横目にして秘丘を撫でる。
ジジジッ…と冷たい音を発てて滑ると、秘丘は無駄なモノを刈り取られてスベスベな秘肌を環視の前に曝した。
弘恵の瞳に揺らぐ炎は涙の海に飲み込まれ、力尽きたようにマットレスにバタンと背中をつくと、肩を上下させて泣きじゃくってしまった。
『フヒヒ!?さすが深剃りが売りの最新型ですねえ?もうどこにもザラつきが無いですよお』
『手抜きしねえで丁寧に仕上げろよ?麗世ちゃんはチェックが厳しいからなあ〜』
立派に成長したウサギの成獣は、その堕落した股間のみを見事なまでに剃りあげられた。
指先で撫でるとプニッと歪み、摘み上げるとモチモチとした感触が楽しめた。
肉付き具合に差はあるものの、それは淫欲動物として愛された、あの日の風花そのものだ。
(……ふ…ッ……ふう…ふうちゃんッ……たす…けて……)
……万策尽きたと思い知らされてから数日が過ぎている。
常軌を逸した責めは昼夜を問わなかったし、それは嘲笑や罵詈も同様。
無理矢理に風花のDVDを鑑賞させられ、上映が終わるまで輪姦は続いた。
安危どころか生死すら分からない。
あの眩しくて愛くるしい笑顔すら、記憶から消えてしまった。
哀しみのあまり弘恵は風花に助けを求めたが、その瞬間にあの凌辱の光景が鮮明に蘇り、心が濁った悲鳴をあげた……。
『なにシクシク泣いてるのお?あ〜、もしかしてモリマン風花のコトを思い出しちゃったあ?』
『あの時と同じツルツルにされちゃってえ。お友達と仲良く《赤ちゃんマンコ》にされて嬉し……』
「も"あ"〜〜〜ッ!
ズズッ……ぉ"あ"〜〜〜〜ッッ!」
死ぬまで癒える事の無い心の裂傷に、男共は指を突っ込んで傷口を拡げていった。
風花の無念を背負っていた弘恵はその激痛に圧し負け、男の台詞を遮るように叫んだ直後、マットレスに身体を沈ませて泣き崩れた……。
『……ヒヘ…へへ……麗世ちゃんさあ、もしかしたら弘恵お姉ちゃんが「カワイソー」って思ってない?』
『それがさあ……イヒヒッ!?違うんだよねえ〜』
「ッッう"ぅ"ッ!?」
仰向けの弘恵を左右から両挟みにした佐藤と高橋は、鋲で縁取られた革のブラジャーのカップを摘んだ。
……そのカップはカチカチと音を発てて外れていった。
鋲の部分は磁石になっており、カップが取り払われた跡には、汗だくの小さな乳房とブツブツと突起が現れた桜色の乳輪、そしてはちきれんばかりに勃起した真っ赤な乳首が突き出していた。
(……ぬ…ッ…脱がさ…れた……ッ)
フゥッと吹きかけられる吐息が、胸の尖端で感じ取れた。
淫らな悪戯を妨げぬ妖しげなドレスは、虐げられ続けてきた弘恵の魅力を存分に惹き出していた。
……弘恵は佐藤と高橋に、ずっと悪戯≠され続けていた。
全身を指先で愛撫され、その最中に触診による肛虐を受けさせられていた。
そして今の尻尾を揺り動かす肛虐棒の無機質な責めは、肛門とその内部を舐めるように這い、痛まぬ程度に捏ねくり回してくる。
奈落の底まで堕ちた身体は痴漢師≠フ指技を欲し、怒涛の快感を打ち込んでくれる男根が恋しくて蜜壺は涎を垂れ流した。
何度も繰り返されて教え込まれた弘恵の身体は、完全なる《パブロフの犬》の状態へと陥っていた。
玉置そらが凌辱されてボロボロになろうと、その親友の松友麗世がどんな渦中にいようと、弘恵の身体はお構いなしに燃えている……。
『イヒヒ!麗世ちゃん、見て分かるでしょお?
乳輪はパンパンで乳首はガッチガチ。スゴいよねえ?』
「む"…ッ!?お"ッ…!ぅ"も"ッ!」
『弘恵お姉ちゃん、なにが「違う」のお?どんな酷いコトされたって、エッチなコトして気持ち良くなっちゃえば身体は興奮して悦んじゃうんでしょ?コレが《証拠》じゃないか……ねえ?』
「ッ〜〜〜〜!」
二人の声色が変わったのを、麗世は戦慄をもって気づいた。
弘恵の口を塞いでいたゴム栓が『コポン』と音を発てて外されると、口の中に溜まっていた唾液がドロリと溢れ出てきた。
大口を開けながら唾液を垂らす泣き顔は哀れに過ぎる姿で、可愛らしいウサギ耳がそれに拍車をかける。
(さ…ッ…触ッ…!?触ら…ッ…触らないでッ!)
揉みしだくにも足らぬ乳房に、二人の男は触れた。
嘲るように乳房を摘み、そして伸ばした人差し指が、ブツブツの乳輪をそっと撫でる。
弘恵の真っ赤な鼻は鼻穴をプンっと膨らませ、そして涙に傷んだ目尻がビクンと引き攣った。
「あ…ッはあッ!?はッ…があ"ぁ"ッ!」