代弁者-10
『なあ麗世、さっきアイツは報道記者だったって言ったよなあ?嘘も偽りも無い、公平公正な真実ってヤツを伝えてこそ報道記者だあ……なあ、今のアイツの姿を見て、アレが《嘘》に見えるか、ん〜?』
「ッ…!ッ…!」
顎を揺すられながら詰められる麗世の頭の中には、どうしても否定の言葉が浮かばなかった。
なんとなれば男の言葉の以前に、弘恵に対して《そう》思っていたからだ。
『そうそう。ボク達のおチンチンに誘われて此処に来たメスは、どれもこれも気持ち良くて悦んでたんだ。涼花も風花も、そうそう、キンタマちゃんも弘恵お姉ちゃんもね?』
『なのにテレビじゃ「拉致だ」とか「監禁の疑い」とか酷いコト言ってさあ……ほら、ずっと此処にいた弘恵お姉ちゃんは自分からオマンコ見せてるじゃないか』
「…………!!!」
弘恵は今、自分が股間を開いているのに気づいた。
膝を締めている麻縄の圧迫感を男の握力と錯覚し、掴まれて開かされていると思い込んでいたのだ。
『ビックリだよねえ?自分から磔にされたモリマン風花と同じ格好してオマンコ弄らせるなんてさあ?』
(……ち…ちがッ……違う…ッ!違うぅ!)
『そうかあ。あのDVD観て「気持ち良さそう」って思ってたんでしょお?奥の奥まで指挿れられて、潮をブシュブシュ噴いてたもんねえ?』
弘恵の真の《絶望》は、自分自身の中から生まれ出てきた。
喘ぎ声を悲鳴で誤魔化すという卑怯な手段を使って体裁を保ち、しかし身体はダニクズの如き痴漢師の指技を欲して無防備に委ねていた。
『麗世ちゃんスゴいでしょ?警察と協力してボク達を逮捕しようとしてた正義の味方でもさあ、エッチなテクニックでイジメられたらこう≠ネっちゃ……』
「ぉ"あ"〜〜〜〜ッ!
がはッ…が…はぼぉ"ッッ!?」
『今さら否定したって遅いよお。ほぅら、ウサギちゃんの大好物のキノコの形した《人参さん》だよお?』
「〜〜〜〜ッ!!!」
弘恵を背後から抱いていた男はいきなり立ち上がると、怒張した男根を無理矢理にホールギャグの円に中に突っ込んだ。
肘がグングンと上下に振られ、両脚はバタバタとマットレスを叩く。
久しぶりの抵抗らしい抵抗ではあるが、口を貫く男根も、蜜壺を責める指も、引き抜けずに受け入れたままだ。
『イッヒヒヒ!ドスケベお姉ちゃんの本性がバレたもんだから、開き直ってベロベロ舐めてくるよお……ああッ……舌使いがイヤラしくって……気持ちイイッ』
(でッ…デタラメ言わないでよぉッ!離し…てよぉ!離してえッ!)
『麗世ちゃんココ見てよ。喉仏がこんなに動くくらい舐め回してるんだよお?もうお腹ペコペコで堪らなかったみたいだねえ?』
(く…口に…ッ!?口にあんなのッッッ!?)
この胸に走る締めつけられるような激しい痛みは、清らかな貞操観念が壊れていく痛みだったのだと麗世は気づいた。
マットレスの上で披露された淫虐な行いは、性知識が未熟な麗世には《劇薬》でしかなかった。
口姦と股座への手淫に強張る身体は、肛門に刺されっぱなしだった異物をニュルリとヒリ出し、放出を妨げられていたガスを「ブリブリ」と噴出しながら潮までも噴射した。
『イヒッ?弘恵お姉ちゃんたら自分で尻尾取って《ケツマンコ》を剥いちゃったのお?
もう「早く欲しいの」状態みたいだねえ?』
『その前にボクの人参さんも味わってよ。キンタマちゃんのウンコ汁がついてて激臭だろうけど……フッヒヒヒ!』
「がひゅうッ……が…はお"ぉ"ッ!」
玉置そらの時にも聞いた、お尻の局部に対しての凄まじい蔑称……。
何もかもが下品で、そして最低なヤツらだ。
他人を苦しめる事だけに悦びを感じて執着する狂った大人達……何故に自分達が巻き込まれなければならなかったのか……。
『さあて、麗世ちゃんもドスケベ弘恵ちゃんもお待ちかね≠フ……ねえ?』
「ッッッッ」
二人の男が弘恵の身体に纏わりつき、不気味な笑い声をあげた。
マットレスの上に背中を丸めて俯せにされたウサギに、猫背の男が後ろから抱きついた。
『ねえ弘恵お姉ちゃん、もう好きに叫んじゃってイイよお?今さら綺麗事言われたって、誰も聞く耳持たないからさあ?』
「がはッ……げふッ!…あぷぅ!」