亮との逢瀬、仕合せ―3-3
亮は奈岐に肩に寄り掛かれながら、奈岐の太ももに置いた手をゆっくりと動かしていた。奈岐の身体の中から溢れ出て来る潤いを帯びて真白に美しいその太ももは性器のように敏感になっていた。亮が触り始めてからもときどき奈岐が小さくピクピクと反応していた。亮はこの無言の時間を愉しみたかった。ゆっくりと本当にゆっくりとそのむっちりと豊饒な太もものまわりへと指を這わせていった。奈岐の太ももの内側はとりわけ肌のきめが細かく白い。そこを優しく撫で、指でさすっていった。奈岐はすでに小さく吐息を吐き始めた。
「あん、、、あん、、、、あん、、、、、、、あああ、、、、、」
その声は小さく少女のように可愛かった。しかしその敏感さは処女ではなかった。
亮はゆっくりと抑揚をつけながら奈岐の脚への愛撫を続けた。少しづつ奈岐の身体は薄紅を取り戻してきていた。取り戻しながら性感は亮への愛情を伴なって高調してきて、いつの間にか奈岐の手は亮の胸の乳首へと向かっていた。さきほど初めて味わった亮の乳首への愛着が奈岐の胸を占め、自然に手がその逞しい胸に寄り添った。奈岐の指は亮の乳首の先端を擦り乳輪から立つ男の小さな乳首を佇立させていた。
亮と奈岐はこの優しくソフトに愛撫し合う時間をじっくり味わおうとしていた。奈岐は出来るだけ声を抑えて息を吐くような声にならない声をあげるようにしていた。亮も感度が高まっはやるこころが否応にも湧いてくるのを抑えながら、声に出さないように二人の愛の結晶のような時間を味わっていた。
それでも少しづつお互いの愛撫は前へと進んでいった。亮の指は奈岐の陰毛がさわるほど太ももの内側へと進み、脚の付け根のあたりを這い始めていた。その微妙な領域は奈岐の性感を瞬間高めて声を上げそうになったが奈岐は手で口を抑えた。亮は奈岐の反応が嬉しかった。その指の動きを繊細にして優しく脚の付け根を局部に触らないように、そして広い範囲で感じてもらうように人差し指と中指、時に親指や薬指まで使った。奈岐の敏感さをひきだすように這いまわしていったのだった。
奈岐はそうされながら気持ち良さを抑え我慢を続けなければならなかった。そうしなければ声が漏れ出て止まらなくなる。奈岐は亮の乳首をいじっている指を自分の口元に運んでたっぷりと唾液を付けた。そしてコリっと立っている亮の乳首へなすりつけ、指の先端でゆっくりとグリグリとした。奈岐は自分の快感を抑えるように愛撫する指に神経を集めて繊細に亮の乳首を扱っていった。亮の抑えた反応を嬉しく感じながら、ときに唾液を補いながら亮の胸いっぱいに自分の跡を残していくように擦り付けていった。奈岐は押さえきれないほどの溢れ出る亮への愛を今亮の乳首へと向けている指と爪先に込めていた。少し伸びた爪の中には奈岐自身の唾液が沁み込んで小さなダムの役割を果たして亮の乳首への潤滑油の補給口になっていた。亮の愛撫に堪えながら、奈岐はその補給口を利用しながら懸命に亮に快感を与えよう繊細な乳首への愛撫を繰り返した。
奈岐は心の底から亮を自分のモノにしたかった、亮の全てをのぞみ、欲していた。それは奈岐の持っている全てを亮に与えることであり、亮の全てを自分の中に入れてしまいたかったということだ。出来ることなら二人で同時に果ててそのまま天へ登りたかった、そこまでの愛が、奈岐の女がいま満ちてきたのだった。その限りない欲望は、畢竟亮の精子を自分の子宮へと導き、奈岐の大事な卵子へと受精させ亮のすべてである遺伝子ごと授かるということだった。