【12・調教】-2
地下室と呼ばれたその場所はコンクリートで覆われており、中にはトイレとベッドだけがあるような部屋だった。
録画2は、そこの天井から伸びた鎖でれっさんの右手と左手が拘束具に繋がれ、つま先が地面にわずかに届く状態で吊るされているところからスタートする。
さきほど着ていたゲーム内で見るかわいらしい服や下着は脱がされ、裸の状態だ。
ジュンイチがれっさんの身体に触れると「ひっ…!」と言う声が漏れる。
「うん、この前のおしおきの傷は治ってるね」
「今まではれんかちゃんが気絶しちゃって辞めたけど…今日は容赦しないからね?」
「早くゲームの中の純粋なれんかちゃんに戻ってもらわなきゃ…」
「…ハッ…ハッ……っ!!」
れっさんは何も答えず、呼吸音だけが聞こえる。
よほど【おしおき】が怖いのか、顔が真っ青になりカタカタと身体が震えていた。
「いい?ボクに相応しいれんかちゃんになるんだよ?」
「いくよ……」
「…ぁ…い、いや……」
バシイイィン!!!
「ぐぅ…あああぁあ!!」
一本鞭の強烈な一撃がれっさんに振り下ろされた。
俺が前にSMと称して使ったものはこれとは少し違い、一本鞭でも先端がバラになっているものだ。
ジュンイチが使っているのは先端がバラになっていない、痛さが一番強烈な物だった。
バチイインッ!!
ビシイィイッ!!
ピシャアアアンッ!!!
はぁはぁと息を切らしながらジュンイチが連続で鞭を振るっていく。
見る間にれっさんの身体は赤い線で覆われ、中にはミミズ腫れや軽く出血しているものもある。
「お…おゆるしくだ、さい…う…あぐう!!…はぁ、はぁ!おゆるし、ください…っ!」
そう言うように躾けられているのか、打たれながらずっとその言葉を繰り返す。
「だめだ!穢れを落として早く元のれんかちゃんに戻るんだ!!!」
ビシイイインッ!!
バシイイィンッ!!
ビシイィインッ!!
「おゆ…る…し……」
鞭打ちが何十分も続く。れっさんの声が掠れるようにしか聞こえてこなくなる。
そして……
バチイイイィィンッ!!!
「きゃあああぁああああ!!!」
ひときわ大きく音がした後、身体に巻き付いた鞭が外れると同時にれっさんが、がくりと項垂れる。
「まだだ!起きろっ!!!」
パアンッ!!
ジュンイチが髪を掴みれっさんの顔を上に向けると、何度もビンタを打っていく。
「何勝手に休んでんだよ!!このビッチがあっ!!」
ビンタで起きないのがわかると、足元にあったバケツの中身を思い切り顔に向けてかける。
バシャアアアンッ!!
水の中に氷が入っていたのか、カラコロと音を立てて床に落ちていく。
「ひああ!!冷たい!冷たいいい!!!」
目を覚ましたれっさんが泣き叫ぶ。
パアン!!!
「きゃああ!!!」
「時間はたっぷりあるんだ…まだまだ続けるよ?」
動画の時間で2時間くらいたっただろうか。
ジュンイチの顔は狂気に満ち、楽しくて仕方がないように鞭を振るっていた。
手を止めている時さえも、れっさんを言葉で責め続けている。
「あーー!疲れたなぁ!!れんかちゃんはいいよねぇ、吊るされてるだけなんだもん!」
「ねぇわかる?恋人がビッチだった時のボクの気持ち…」
「ビッチのためにこんなに鞭を使って…あぁ!?痛いと思ったら手のひらに豆が出来てる!」
「ほら見て!こんなになってるのに、まだ恋人のために動けるんだよっ!」
「ふふ、ボクってよく優しいって言われるんだぁ、れんかちゃんは幸せ者だねっ!!」
れっさんはもう言葉さえ発せないようで、必死になって気を失わないように耐えているようだった。
それからも【おしおき】は続けられた。
「……っぐぅ!……ぁ!……ひぐぅ!……」
鞭で打たれ、気を失うと氷水をかけられる。
更に2時間くらいが経過した頃、やっと【おゆるし】が出る。
「ふーー。今日のおしおきはここまでにしてやってもいい」
「れんかちゃんの態度次第だけどどうする?」
ぐいっと顎を掴み、顔をあげさせる。
「…ぁ…りが…と…う…ご…ざいま……す…」
顔はすでに何度もビンタされ、真っ赤に腫れあがっていた。
全身の酷さは鞭でずっと打たれていたのだ、言うまでもない。
「じゃあ、どうすればいいかわかるね?」
拘束を解かれ、床に倒れこむれっさんをそのままに、ジュンイチはベッドに座り更に声をかける。
「さぁ、ボクだけのれんかちゃんに戻ったことを見せてよ…出来るよね…?」
「…はい…」