魔物戦記〜新たな仲間〜-1
夜が明け、街を出るときには亜美の予想通り、お礼金とホテル代が無料という街全体からのお礼を受けた
いつもなら亜美が偉そうに威張るのだが、今日は違った。
「本当にありがとうございました」
「いえ、当たり前の事をしたまでです」
「私たちはこれで」
亜美達は街をあとにした
汽車の中では長い沈黙が続いたが、亜美がその沈黙を破った
「ねぇノウェ」
「ん?」
「昨日の事だけど、考えさせて」
「どれくらい?」
「最後の日が来るまで」
「あぁ」
「ありがとう」
「・・・そういやなんで俺をすぐに信じてくれたんだ?最初はあんなに不信がってたのに」
「ラザフォードって言ったからよ」
「は?」
「私のお爺ちゃんの敵(かたき)であり、私に殺しのすべを教えてくれたバンパイア、ガロ=ラザフォードと同じ名前だったから」
「ガロ・・・ガロだと!」
「やっぱり知り合いなんだ・・・ガロは私のお爺ちゃんを殺して、当時六歳だった私に魔物を殺す方法と、戦い続ける覚悟をくれた」
「ガロは今どこにいるんだ?」
「わからない・・・私が殺す前に消えた」
「そうか」
「親戚?」
「200歳年上の俺の兄貴だよ」
「200歳!?」
「あぁ見た目の若さはまったく俺と同じくらいだろうがな」
「お兄さんだとは思わなかったなぁ」
「生きてたのか・・・まだまだ原種は居そうだな」
ノウェは何かに考えを巡らせてるようだった
多分、お兄さんの事
「あーっ!」
「ど、どしたの?いきなり」
「メロンパスタ食べ損ねた!」