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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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あんたいくつになる-2

 「あの…若いって、どう若いんでしょうか?」

 わたしも気になってつい訊いてしまう。

 「確かにアンタにしてみればわからんのかもしれんな。身体の中についてのこちらの一方的な感触…いや感慨とでも言うべきものだしね」

 感触ならまだ話としてはわかるが感慨とはどういうことなのだろう。あまりしつこく訊くのもどうかと思っていると丸山さんから話をしてくれた。

 「まあ、アケスケな話になってしまうが、ワシも若い女とこういうことをしたのは何度でもあるがね。若い女とヤるんだから自分も大いに若返って楽しみたいと思うんだが、相手の女は確かに若いんだが、突き入れてみればなんとも砂漠のような味気なさでね。こればっかりはいくら目をつぶってみても自分を誤魔化すことができない…。いい歳をしてこんな若い女とこんなことをしているとは…と情けなくもなってくる」
 「はぁ…」
 「その点、アンタは違う。年相応に落ち着いてヤろうと思っても突き入れているうちについ我を忘れてしまうというか…。自分がものすごく若返ったような気持になれるんだよ。感触から感慨に導いてくれるんだよ、アンタは。まさに回春の心持というところでね」
 「はぁ…。感触はよっぽど『砂漠』なんじゃありませんか?」
 「いや、それだけはない。山を登っている途中に見つけた泉とでも言おうか、間違っても砂漠などではない潤いがある」
 「そう…なんですか」
 「そう。若いだけの女とハメるのはただの『交尾』だが、アンタとするときはいつも『ああ、ワシはいま女と『情交』しておる』…まあ文字通り情けを交わす、というやつだな。情交しておるという悦びを感じているんだよ」
 「はぁ…」
 「アンタとしているとき、ワシは新婚の頃の自分のようであり、〇〇にいた頃の学生のようであり、…」
 「えっ、〇〇にいたんですか?」
 「ほう、アンタも〇〇の出かい?」

 〇〇と聞いて思わず反応してしまった。出身地なんて個人の情報の最たるものなのに…。

 「あ、ああ。その…丸山さん、てっきりこちらのお生まれだとばかり思っていたものですから…」
 「ははは。そんなシティボーイじゃないよ」

 正直に、自分も〇〇の出身であると言ってもよかったかもしれないが、とりあえず〇〇の出身かと訊かれて答えなかっただけで、ウソをついたわけでもない…と思うことにする。

 実際に自分が本当に『若い』のかどうかはわからないけれど、自分ではわからない部分を教えてくれるのはうれしい。

 「アンタはしてるときどんな心持なんだい?」

 自分ではわからない部分を教えてもらいたいと思っているのに、相手から訊かれたら誤魔化したりはぐらかしたりするのもどうかと思う。

 「わたしも若い頃に戻った気分です。学校にすごくきっちりした先生がいらっしゃって。その先生を思い出します。…あ、もちろん、その先生とこんなことをしたことはなかったんですけど…」
 「ほう、そうかね」
 「丸山さん…おいくつでいらっしゃるんですか?」
 「ん? まだ喋ったことはなかったかな。〇十〇歳だよ」
 「えっ! うっそー!」

 思わず女子高生のように驚いてしまった。


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