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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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西日の当たる部屋-1

 今日は月に1回のペースでお逢いしている方がお相手。年齢は還暦も数年前に過ぎたそうで奥様とはセックスレスになってもう十年にもなるという。

 奥様は若い頃からあまりセックスがお好きではないとのこと。温厚な雰囲気の紳士でいらっしゃるので無理強いなさったりもしないのだろう。

 「うちの家内も貴女の半分でいいからセックスが好きだとよかったんですが…」

 それってどういうことかしら。有体に言えばわたしは奥様の倍以上もセックスが好きな女ということ? …多分そのとおりだとは思うけど。

 今日もいつものようにわたしがお相手に跨る。ほかの体位もいいけれど、騎乗位がいちばん相性のよさを感じる。お互いが果ててしばしの休息…。

 「考えてみるとボクも、もう家で暮らす意味もほとんどないので、こちらの近くにアパートを借りようと思ったりもしているのですよ」

 確かめたことはないけれど、お相手の方は朝早く家を出られて数時間かけて出てきて来られている様子。定年の後も会社には相談役のようなポジションで週に数日出勤されていたのが、今年から週に1回程度でよくなったということのようだ。

 「週に1回なら会社にはこっちから通えばいいじゃないかと思っているんですよ」
 「でも奥様にはどうお話になるんですか?」
 「まあ、特に問題視されることもないとは思いますが、お互い、人生後は好きなように暮らしてみないか? とでも言ってみるつもりです」

 お相手は以前から業界紙の記事を書く仕事もされていて、その関係でこちらを本拠地にした方がいい…という通りのよい理由もあるそうだ。

 「事が首尾よく運んだら、もちろん貴女とも月に1回と言わずもっとお逢いしたいと思っておりまして…」
 「…そんな気をかけていただいて…ありがとうございます」

 相性が悪いわけではなく、むしろいい方だからわたしも満更ではない。ふたりとも騎乗位が好き…。乳房を揺らして腰を振る姿が好きだと言われ、ブラジャーをつけたままで繋がる様も好きだと言われたことを思い出す…。

 「それで考えているのは、貴女もここまではお時間をかけて来て頂いているようなので、いっそのこと貴女のそばで部屋を借りられないかと…」

 男性と逢う場所は自分の生活圏とは離れたところにするようにしているから、それはちょっと有難迷惑なお話…。やんわりとお断りしなければならない。

 「そこはお気になさらないでください…。あまり便利がよくてわたしがお部屋に入り浸ってしまってはいろいろ差しさわりもあるので…」
 「まあ、そうですよね。そのようにおっしゃるんじゃないかとは思っていたのですが、ダメもとでお話ししたような次第で」

 強引に食い下がることもなく、今のままが関係を続けるには最良なのだということをすぐに悟ってくれたようだ。とは言え本当に生活圏内に住みつかれてしまうのも気にはなってしまう。家を行き来するようなことはないにしても、街中でばったり会ったりする可能性は小さい方がいい。


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