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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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幸福感-1

 夫が会社に出かけていった。お洗濯でも始めるところだけれど、今日は■曜日。テレビのワイドショーを見ている。ワイドショーでは中年男性が起こした悲惨な事件を扱っていて、コメンテーターが犯人は疎外感や劣等感から来るイライラを社会にぶつけているのではないかと述べていた。

 『こういう事件って時々あるんですけど、みんなが幸福感にあふれている世の中であればこんな事件は起きないのですよね?』

 アイドル上がりの女性コメンテーターのコメントに一瞬微妙な雰囲気が漂っていたのが面白かった。

 『そんなことができれば苦労することはないんでしょうけどねぇ。ただイライラしてるだけのオジサンの自分勝手な行動でしょ』

 世間知らずのお嬢さんのコメントに呆れたかのように、隣に座っているわたしと同じくらいの歳の女性コメンテーターが、(この人は本当にバカね)と思っている感じをありありと感じさせながらコメントした。
 
 『△△さんは幸福感感じられていますか?』

 場の空気をとりなそうとするように司会者がお嬢さんコメンテーターに問いかける。
 
 『とりあえず幸福感は感じてると思いますねー』

 お嬢さんコメンテーターが答える。

 『能天気…いやいや無邪気でいいねぇ。なんと言っても△△ちゃんは新妻だからねぇ。幸福感の源はラブアンドピースですよ』

 ベテラン俳優のコメンテーターが口を挟んでこの話題は終わった。

 この俳優さんを見るたびにOL時代の上司を思い出す。雰囲気が似ているのだ。わたしが好きなタイプなのだ。訊かれることなどないけれど『好きな俳優は誰?』と問われれば、わたしはこの俳優さんの名前を挙げるだろう。ワイドショーには■曜日にこの人が出演するのだ。

ワイドショーで『幸福感』という言葉を聞いて、そしてお気に入りの俳優さんのコメントも相まって、当時の思い出がよみがえってくる。
 OL時代にわたしは職場の上司と関係を持っていた。年齢は50歳くらい。密会するのは月に2、3回といったところだっただろうか。上司がさりげなく『今日、いいかな?』と声をかけてくれるのが楽しみだった。

 ラブホテルで密会するたびに、セックスの快感…というか、快感などという言葉では表しきれないような、女の悦びとでも言うような気持ちを満たしてくれるような気がしたものだった。わたしの快感の要所…ツボをすべて押さえられて、平たく言えば、意識が飛んでしまうくらいの快感で絶頂を迎える。そして体を突き抜けていった快感の余韻に浸っている。

 行為の最中は男と女、もしかしたらオスとメス…だったかもしれないけれど、事が終われば、ベッドで放心して横たわっているわたしに、(今日もいいイキっぷりだったね)…みたいなことは決して言うこともなく、ただ娘に添い寝する父親のように見守りながらわたしの身体に起きている興奮を鎮めるように優しく愛撫してくれていた。そして、わたしは自分をここまで愛してくれたという『幸福感』に浸っていたように思う。

 愛撫が一頻り終わったところで、わたしは仰向けになった上司の脇から落ち着きを取り戻した上司のモノに自然と舌を伸ばし口に含んだものだった。(ありがとうございました…)というような気持で。

 もう一度大きくなってもらって次を…という気持ちもなかったといえばウソになるし、実際、ほぼ毎回、次につながっていってはいたけれど、セックスを続行するためのテクニックというよりは、純粋な愛情表現、感謝の気持ちの表現だったような気がしている。当然、上司も(まだまだしたいんだね)のようなことを言ったこともなく、ただわたしの髪を優しく撫でながらフェラチオされていたように思う。

 上司はわたしと関係を持つ前に、もう一人の女性社員と関係していた。女性社員はわたしよりも数年先に入社していた先輩社員で、『困ったことがあったらお姉ちゃんだと思って相談してね』と言ってくれるような優しい人だった。

 上司がわたしとも関係するようになったと知ってからも、それまでとわたしに対する態度が変ったりするようなことも一切なかったし、上司との関係をお互いハッキリと共有してからは、上司との密会の日にいつもより早めに退社する挨拶を交わしながら、(ごゆっくり…)とでも言うようにニッコリと微笑まれもし、わたしも逆の立場のときはそのようにしていた。結局、わたしは入社してから退職するまで仲良くさせてもらっていた。

 そんな経験をしていたからか、夫との生活でいろいろ感じることはあっても、そのことをもって夫婦の関係に絶望するようなことはなかった。上司も『ボクは妻との体の相性はそれほどでもないけれど妻と別れようと思ったことはないんだ』と言っていた。セックスを通じて得られるはずの『幸福感』は自分なりに他の男から得てきたことの背景にはそのようなこともあったのだと今更思ったりもする。

 上司は職場では『仏の〇〇』と呼ばれて慕われていた。出世競争では『鬼の◇◇』に負けてしまったけど笑顔で出向先に転勤していった。わたしや先輩社員の上司との関係もそこでほぼ終わってしまったけれど、出向先の業績はすぐ上昇したという噂だった。きっとセックスを通じてではないにしても、社員のみんなを幸福感で満たしていたからだ…というような話を先輩社員がしていたような記憶がある。

 (あの頃からもう何年?…四半世紀?…)

 ふと会陰のあたりにもぞもぞした感覚を覚えてしまう。発情したみたい…。現在関係を持っている密会相手の中にも同じような雰囲気の人がいる。ちょっと間も空いているし連絡をとってみようと思った。行為の後のフェラが『お掃除フェラ』や『二回戦への前戯』などではないということをちゃんと理解してもいるいい男…。我が家の平和のためにもわたしの幸福感を満タンにしてもらおう。


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