亮の決断と奈岐の逡巡-2
亮は、拒絶されたことにある種のインパクトを受けた。しかしそれで自分の気持ちが収まるものでもないことはわかっていた。時間をかけて奈岐の気持ちを掴もう、優しく奈岐の気持ちを包み込んで逃さないようにしていくことだ、そうだ、続けよう。奈岐へ気持ちを伝え続けよう。
また来る週末への約束をとらなければならなかった。亮は週末の出来事から少し落ち着いた水曜の夜、奈岐へメールを送った。
何事もなかったように、奈岐に逢いたいこと、好きなこと、エッチな時間を分かち合いたいことだけを伝えた。きっと奈岐は読んでくれるだろう、そしてまた逢ってくれるだろうと思った。
奈岐は亮からの連絡を待っていた。身体が亮への愛を忘れないで芯の方に熱く灯っているものがあった。その夜、奈岐はすぐに土曜日にまた逢うという旨の返信をしたためた。返信をしてワクワクしている自分を感じた。そしていままで何を迷っていたのだろう、亮さんと存分に楽しめばいいんだわ、だって亮さんが好きなんだから。そう思うとその夜は安らかに眠ることが出来た。
奈岐は亮に抱かれたい気持ちでいっぱいだった。土曜日にはまたチャットで抱かれると思うと毎日の生活に張りがあった。亮さんが私の身体を私の心を抱いてくれる、身体をゆだねれば私を心から満たしてくれる。天へ連れて行ってくれる。
毎夜寝る前には、性感帯のあちこちが敏感になり、ムズムズ、ムズムズとした感覚を止めることが出来なかった。寝返りを打って乳首がパジャマのボタンにあたって思わず、あっ〜んとよがり声をあげてしまう。そして手がパンティーの上からクリトリスを触ってしまう。クリトリスを押しているうちにあそこから愛液が溢れ出て来てパンティーを濡らしてしまっていた。濡れ出た愛液を掬ってクリトリスに押し付けた。亮さんがいつもしてくれるように焦らしながらたっぷり時間をかけてクリトリスを舐めるように刺戟した。
亮さんにまたしてもらえる、気持ち良く導いてもらえる、亮さんの屹立したものを咥えることができる、お互いの愛を思いきり確かめ合える。生きている喜びを分かち合える、、、、、
そして土曜日がやってきた。奈岐はワクワクして事務所に向かった。いつものように午後二時に待ち合わせた。朝からドキドキして、昼食を食べながら亮とのことを夢想してあそこが濡れてきたことに気付いてハッとした。
「なぎちゃん、こんにちは。今日もまったりゆっくり愛し合おうね」
いつもの亮だった。安心して身を任せた。すぐに夢のような快感がやって来て天にも昇るようになっていった。
「りょうさ〜ん、、愛している、、、、ああ、、あんあんああん〜、、、逝く逝く逝くウう〜」
何度も逝かされた。亮の優しい指が乳首をいじり、優しい唇がクリトリスを吸った。何度も何度も繰り返してくれた。リアルに愛撫されているのか、バーチャルなのか、区別がつかなくなっていった。亮のものが生で奈岐の中に入ってきた。奈岐は入ってきた亀頭を膣口で絡みつくように愛撫するのがたまらなく好きだった。今日も亮の亀頭のカリを存分に膣口で愛撫した。
Gスポットを擦り上げられ何度も逝った。こんなに素敵なセックスがいままであっただろうか。奈岐は疲れ果てて失神してしまうまでいつまでもこの亮とのセックスを続けていたかった。止まらない指は奈岐自身のものだったが、亮の指であり口であり舌であり固くそそり立った陰茎だった。奈岐はいつ亮が一緒に逝こう、と言ったのか記憶にないほど乱れ狂った。粘調な奈岐の愛液があそこのなかでかき混ぜられて、あたかもあそこからは亮の白い精液が溢れ出て奈岐の指に滴っているようだった。
亮は、果てて満たされた余韻の中でまた奈岐を誘わなければならないと思ってぼーっとしていた。
「なぎちゃん、もうぼくたち離れられないよ、なぎちゃんの身体、気持ち良すぎるよ」
「うん、りょうさん、好き」
「なぎちゃん、ぼくは何度も言うよ、なぎちゃん、今度リアルに逢おう。僕との時間を作ってほしい」
「りょうさん、、、、、、、、で、、、も、、、」
奈岐はまだ超えることが出来ないようだった。これを超えたらもう後へは引き返せない。
「りょうさん、、、、できないわ。だって引き返せないようになっちゃうから」
亮は、奈岐が真剣に考え始めていることに気付いた。
「なぎちゃん、そんなに重く考えなくていいんだよ。なぎちゃんとぼくが楽しめればいいじゃない。ぼく、なぎちゃんといるだけで楽しいよ、ほら、顔がにやけてるでしょ?は、ハ、ハはは、は(笑)」
「ふふ、ふふふ、、、りょうさん、にやけてる、、、、ふふふふ(笑)」
奈岐はこのジョークでふと気持ちが軽くなった。でも亮の思いを受け入れる踏ん切りはなかなかつかなかった。グダグダになって言い訳をしていたがこの前のように重い気持ちは無くなっていた。とりあえず亮との逢瀬は続けることが出来る、そう思うと自然と笑顔になった。奈岐の顔もにやけていたかもしれなかった。