《魔王のウツワ》-7
改めて女の容姿を思い出す。
150cm程の小さな身体に、長い、ビロードの様な黒髪。
目許を多い隠す前髪の為に顔の全体はよく分からなかったが…
あのバカ以外とまともに喋ったのは何年ぶりだろうか…
名前も聞かなかった…
何故か、それが酷く心残りだった…
「まあ…関係無いことか…」
いつの間にか、止めていた足を動かして、教室に向かった。
午後からは、歴史と古典の眠たい授業…
また、憂鬱な気分になった。
続く…