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熱帯魚の躾方
【SM 官能小説】

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温泉旅行(一)-1

温泉旅行(一)
 今日は、約束していたクリスマスプレゼントの温泉旅行に出かける日だ。近場から遠方まであれこれと悩んだが、安全を考えて遠くの山奥の温泉まで足を伸ばすことにした。

 真冬で寒いので、いつもは足を出してる沙莉も白いダウンジャケットにデニムとブーツだ。早朝から新幹線に乗って岡山を目指す。
 帽子とサングラス姿の沙莉を隣に流れていく景色を楽しむ。ここぞとばかりにピッタリとくっついて甘える沙莉が、ちょっと気恥ずかしい。普段は外では、あまり甘えさせないようにしているが、旅行中は沙莉の好きにさせよう。
 さっきまで、ずっと喋っていた沙莉が急に静かになった。私の左肩に頭を乗せて眠ってしまったようだ。甘い花のような香りが鼻腔をくすぐる。沙莉が忙しくなる前に沢山思い出作りをしたい。

 岡山からはレンタカーに乗って、勝山市を抜け湯原温泉を目指す。沙莉は帽子とサングラスを外した。彼女のお気に入りの曲が入ったSDをカーステから流しながら、米子自動車道を北上し、沙莉の鼻歌を楽しみながら、1時間あまりのドライブを楽しむ。
 湯原トンネルを抜けると一面雪景色に変わった。「わぁ、きれい!」まるで山水画の中に取り込まれたような気分になる。

 真賀温泉館
 
 まだ、宿のチェックインには早いので、途中で真賀温泉館へと向かう。ここは「幕湯」と呼ばれる混浴の岩風呂が有名で、幕湯の足元から湧出した湯を各風呂場に流している。幕湯、男湯、女湯、家族湯と別れている。泉質はやはり幕湯が圧倒的に良いがタオルを湯に浸けれないルールがあり、女性にはハードルが高い。
 駐車場から山肌の階段を登り、真賀温泉館へと辿り着く。靴箱に貴重品と靴を入れて、受付で料金を払う。幕湯二枚、沙莉には難関だがこれも調教のうちだ。恥ずかしそうにしているが、ちゃんと付いてくる。
 幕湯の前で若い女性に声をかけられた。「あの〜、一緒に入ってもらってもいいですかぁ?」目がクリクリとした可愛らしい女性だ。沙莉よりちょっと若いように見える。「えっ?御主人様?」「ああ、うちは構わないですよ。」「ありがとうございます!」こんなところで声をかけられるとは思わなかったが、女性一人で幕湯に入るのなら、カップルか夫婦と一緒に入るほうが安全だろう。
 沙莉と二人で幕湯の入口の引戸を開けて、風呂場の引戸を開けて様子を伺う。中は、5m四方の深めの岩風呂になっていて、岩にもたれて入る。先客は私と同世代位のご夫妻が入っていた。「三人ですが、入ってもいいですか?」「どうぞどうぞ!」笑顔で返してくれた。気さくな方のようだ。
 脱ぐところを見られるのは、恥ずかしいだろうから、私が先に入り二人を待つ。裸の二人が入って来た。湯に入る時は目を外らせるのが暗黙のルールだ。幕湯の湯はとろみがあって、肌にまとわり付くが、湯から出して触れるとさらさらとする。湯温は39℃と低めだが、じっくりと入ると身体の芯から温めてくれる。
 声をかけてきた女性は鶴賀美羽という若い女性で、歳は沙莉の三つ下の二十二歳だった。友達と旅行で温泉巡りの予定だったが、友達が体調を壊して一人で旅行に来たらしい。幕湯を目指して来たのだが、タオルを巻けないし、水着も不可で困っていたようだ。
 若い娘同士は打ち解けるのが早くていい。もう二人で話し込んでいる。私はご夫妻のほうと話を弾ませた。勝山市にお住まいでオーダー家具を作っているそうだ。疲れを癒しにこの温泉によく来るらしい。温泉というのは不思議だ。会ったこともない男女が、混浴しているというのに、性的な欲求は何故か生じない。それとも、そういう年齢になったということだろうか。

 暫くして男性が三人入って来た。三世代のようで、祖父、父、息子のようだ。祖父は本を持ち込み、父は腕を組んで目を閉じる。高校生位の息子は、若い二人の女性を見て、赤くなった。浅い岩に腰掛け、反対側に向いた。暫くして横目でまた見ている。沙莉の右膝に手を伸ばし、右脚を私の左膝の上に重ねる。
 一瞬、驚いた顔をしたが素直に従った。正面の少年から沙莉の股間を見れば、湯の中に光る金のピアスが見えるかもしれない。沙莉がこちらを向いて唇を舐めた。ウブそうな少年をからかって楽しんでいるようにも思える。
 一時間ほど浸かるともう汗だくだ。先に上がったご夫妻に続いて、私も上がることにした。
「あっ、私達もすぐ上がります。」ゆっくりしていいよと言ったが、限界のようだ。
 暫くはセーターが着れないほど暑かった。まだまだガールズトークで盛り上がっている。美羽はバスとタクシーを乗り継いで、この温泉まで来たらしい。バス停でタクシーを待つ間、凍えそうだったようだ。
「御主人様、美羽さんも華屋敷ですって。一緒に乗せてあげても宜しいですか?」「ああ、もちろんいいよ!」「ありがとうございます!助かります!」

 車の中で助手席の沙莉と後部座席の美羽とのガールズトークは途切れず続いている。
「あの〜?何で御主人様なんですか?」今回の旅行では、固いこと抜きで沙莉の好きにさせている。沙莉がどう答えるのかも興味がある
「んーとね。御主人様と奴隷なの。」「えーっ?それって、罰ゲームとか?」「ううん、ちゃんとそういう関係。恋人だけど御主人様なの。」「えーっ、それって大人の関係ってヤツですか?」「ちょっと違うかな。一緒に暮してるし、お店も手伝うし…。すごく大切にしてくれる。」私は恥ずかしくなって、思わず咳払いをした。「ねー、御主人様!」「沙莉、その辺にしときなさい!」「はぁーい!」美羽からすればこの関係は理解出来ないだろう。

 華屋敷に着いた。まだ一時間ほど早いが車を置かせて貰えるか尋ねた。着物を来た上品な女将が対応してくれる。早めだがチェックインさせて貰えるようだ。「今日からお泊りの菰田様と、鶴賀様ですね。三名様ご一緒ですか?」簡単に経緯を説明すると、隣の部屋になった。


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