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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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妻を他人に (10) 変化-4

 かつて不倫に溺れた自分がどの口で言っているのだろうと思う。でもあのときだって後悔と罪悪感に押し潰されそうな毎日を送っていた。考えるのが辛くて面倒くさくて惰性で抱かれてた。抱かれている間だけは嫌なことを忘れられたから。終わればどうせまた後悔と罪悪感に襲われるのを分かりながら向き合うのが怖くて、逃げるように不倫セックスにのめり込んだ。自分で自分が大嫌いだった。
 夫とだけ愛し合いたいというゆきの気持ちは決して嘘ではない。

「そっか、そうだよね。なんか俺、前回大丈夫だったから次もって軽く考えてたかもしれない。ゆきにとって負担なのはわかってたはずなのに。ごめん……。率直に言ってくれてありがとう」
「ううん。わかってくれてありがとう」
「今さら言えたことじゃないけど、やっぱり一回きりでやめたほうがいいのかな」

 ゆきの膣内(なか)で、夫のペニスがわずかにしぼんだ気がした。少し呆れたが、それだけ真剣に考えてくれているのだと、好意的に解釈することにする。

「うーん……あのね。ゆきの中に三つの気持ちがあるの」
「三つの気持ち?」
「ひとつは今言ったとおり。パパ以外の人とはしたくない気持ち」
「うん」
「もうひとつは……私たち、ほら……最近その……すごく仲良しだと思うの」
「仲良し……?」
「うん。パパにいっぱい愛されてる……」
「いっぱい『仲良し』してるよね」
「ゆき、今幸せ……」
「俺たちがもっと『仲良し』できるなら、またZとしてもいいかもってこと?」

 しぼんだ夫のペニスがまた固くなる。まったく現金な人だ。

「Zくんとしたいわけじゃないよ? あくまでもパパが望むならだけどさ……まあ、うん……そういうこと……」
「心の負担はあるけど、悪いことばかりじゃなかったと」
「うん。それでその負担もね……えーっと、Zくんいい意味でチャラいというか、後腐れなくさっぱりしてそうな人だったから思ったほどでは……ないです」
「それが人妻と不倫する秘訣だって、あいつ前からよく自慢してるよ。やっぱりそうなんだな」
「なんかそれ聞いてちょっと嫌になったんだけど……」
「まんまとZの術中にハマっちゃってるな」
「しかも他の人妻さんにも手を出してるのね、まったく……」
「あれ? やきもち?」
「べ、別にそんなんじゃ……。ただたくさんいる中の一人っていうのは、ちょっと気に食わないわね……」
「あはは。それで三つ目というのは?」
「…………」

 そう、三つ目。ゆきはふうと息をつく。

「これ言っていいのかな?」
「ん?」
「うーんとね。怒らないで聞いてくれる?」
「うん」
「あのね……。Zくんともう一回しちゃったら……ゆき、Zくんとのエッチ忘れられなくなっちゃうかもしれない……」
「…………」
「パパはそれでもいいの?」
「それだけZとのセックスが気持ちいいってこと……?」
「はい……」

 実はすでに、忘れられなくなっているのは内緒だ。毎日のようにZとの行為を思い出しオナニーをしている。

「パパはそんな奥さんで、いいの?」
「ゆき……」
「自分の奥さんが……他の男の人とのセックスのこと忘れられなくなるんだよ…………?」

 夫のペニスがゆきの腟内でビクンと跳ねた。

「うふふ。おちんちんくんがお返事してくれたのかな……?」
「ぅう……聞くだけ野暮だよ、ゆき……」
「さすが変態さん……」
「変態でごめん……正直、興奮しちゃう」

 夫の腰使いが少し激しくなった。
 ゆきを強く抱きしめ、舌を絡める。

「今でもゆき、ひょっとして思い出したりしてる?」
「ふふふ。誰かさんが思い出させるから」
「一人のときは?」
「…………」
「本当のこと、言っていいよ」
「…………あるよ……思い出しちゃうこと……」
「あぁ! そうなんだ……やっぱり」

 互いの乳首を愛撫しあい、唇を重ねる。

「ん、んん……っ」
「ゆき、今でももう忘れられなくなってる……?」
「……そうかも……ごめんなさい……ぁん……んふぅ……ぁん……っ」
「それでもゆきと俺、ちゃんと愛し合えてる」
「……ゆきはパパと愛し合う資格……あるのかな……ぁん……ぁあ」
「そんなこと言わないで! 安心して……!」
「ゆきのこと……嫌いにならない……?」
「なるわけない。もっともっと好きになる……!」
「……そんなこと言われたら……んぅ……ぁん……んふぅ……ぁん……」
「言われたら……?」
「また……Zくんとしてもいいのかなって……ぁん……んぅ……思っちゃうじゃん……ぁん……んふぅ……ぁん……」
「ぁあゆき……!」
「あぁん……勘違いしないで。パパのためなんだよ? ぁん……んふぅ……ぁん……っ」
「俺のためでもなんでも……Zとまたしたいって……ゆきも思ってるんだね。たまらないよ……!」
「……ごめんなさい……ぁふ……んふぅ……ぁん……んふぅ……ぁん……っ」
「ぁぁああゆき! だめだイク……!」
「あ……ぁぁ……」

 コンドーム越しに精液のぬくもりが伝わってきた。

「ぁあ……ゆき……気持ちよかったよ」
「……ゆきも気持ちよかった……ありがとう。二回も頑張ってくれて……」

 相変わらずイクと言ってから早い。
 やっぱりZとのセックスとは全然違うなと、最近のゆきはついそんなことを考えてしまうのだった。

  *


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