第三十三章 目覚めの後で-1
【啓介と同居 四ヶ月目】
【20●1年4月2日 PM1:30】
リビングで。
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「・・・ん?」
気が付いた時、意識はまだ白い海を漂っていた。
数分ほど眠ってしまったらしい。
抱いてくれていた男は傍にはいなかった。
「めぐみ・・・」
直ぐに声がかけられる。
「お茶、いれたで・・・」
覗き込む啓介を見つけた。
「はい・・・」
全身裸であることが少し恥ずかしかったが、恵は起き上がった。
ソックスだけを履いていたことに気づき顔を赤らめた。
どうせならと、それも脱いだ。
自分の身体の全てを義父に見てもらいたかったから。
恥ずかしそうにソファーに座り直す恵を、啓介は眩しそうに見つめている。
「きれいや・・・」
その一言が嬉しい。
テーブルには氷の入ったグラスが二つと、お茶のペットボトルが置いてある。
啓介はお茶を注ぐと、恵に差し出した。
「おい・・しい・・・」
冷たいのど越しが心地いい。
「フフッ・・・」
恵は男の肩に身体をもたれさせた。
「いや・・・だ・・・」
「んっ・・・?」
「映ってる・・わたしたち・・・」
「ほんまやな・・・」
さっきの激しいセックスの最中にも、同じことを言ったことを思い出した。
だが、あえて啓介は正さなかった。
啓介が肩に廻した手をギュッと力をこめると、恵は嬉しそうに身体を預けた。
潤んだ瞳を黒いテレビ画面に向けジッと見つめている。
「わたし・・しちゃったんだ、お義父・・さんと」
「あぁ・・・」
「もう・・もどれないね・・わたしたち・・・」
「めぐみ・・・」
二人の顔が近づき唇を重ねる。
何度味わっても美味しいと思った。
薄目を開けた恵の視界に反り返るペニスが見えた。
(うわ・・すごい・・・)
隆々とそびえたつコックが黒い画面に淡く映っている。
恵は食い入るような眼差しでそれを見ていた。
無意識に指が伸びていく。
(す、すご・・い・・・)
啓介も心の中で声を出していた。
恵の細い指がコックに絡んでくる。
その淫靡なシーンを黒画面越しに二人はみつめていた。
「ねぇ・・・」
恵の囁くような声が耳元でした。
「な、なんや・・・?」
問いかけに戸惑う表情で声を返している。
「お口で・・してあげようか・・・?」
「えぇっ・・・?」
予想外な言葉が啓介を狼狽えさせた。
「でも、わたし・・下手だから・・・」
淫靡なセリフが恵の口から放たれる。
「め、めぐ・・み・・・」
啓介は自分の耳を疑いながらも次の言葉を待っていた。
「教えて・・お義父さん・・・」
啓介のコックが当然の如く反り返るのだった。