妻を他人に (8) ごめんなさい-2
「あ、ようやく笑ってくれた」
「あぁーもう……。変態すぎる夫を持つと大変……」
「そんなの前からわかってたことだろう?」
「あんな私を知っちゃって……パパはゆきのこと、嫌いにならないの?」
自分のことを「名前呼び」してしまった。きっと少し安心したのだ。男の人に甘えたい気分のとき、私はこうなってしまう。三十八歳にもなって恥ずかしいと自分でも思うけど、それはきっといつまでも私のことを可愛がり甘やかしてくる夫のせい。ほら、今だってまた私をこんなにぎゅっと抱きしめてくれて──。
「嫌いになんてなるわけないよ」
夫の温かい手が、私のおっぱいに伸びてきた。乳首にそっと触れる。気持ちいい。
「ふふふ。でも怒ってないなんてきっと嘘。ネットに書いてあったもん。寝取られくんはこういうとき怒るの。愛する人が他の人としちゃって気持ちよくなっちゃって。怒りが湧いてくるんだって。なんでだよーって。パパもそうだったんでしょう?」
「はは……詳しいね」
「詳しくなっちゃったの。夫がこんな人だから」
「ま、まあ……正直、ゆきのエッチな声がいっぱい聞こえてきたときは……やっぱり……すごく、腹が立ったよ」
「そうだよね。じゃあやっぱり……ごめんなさいだよ……」
「ううん。覚悟はしてたし、それに、それだけじゃないよ」
「なあに?」
「知らないの? 怒ったあと、どうなるか」
「知らないし聞きたくない」
「教えてあげる」
「やだ」
夫の唇が、私の唇にそっと触れた。
「もっと大好きになるんだよ」
「ん……んん……」
あーーもう! バカ。
「ゆき……」
「んん……ん……チュ……」
優しいキス。私の大好きな、パパのキス。
「ほら、こんなにゆきのこと大好きになっちゃった」
パパの硬くなったおちんちんが、私のお腹に当たっている。
「んん……この変態めー……チュ……」
「変態でごめん。嫌いになった?」
「なった……パパのことなんか、大嫌い……」
大好き。
「俺がこんなにゆきのこと大好きなのに酷い」
「奥さんに酷いことしたパパがそんなこと言う?」
「なるほど、ごめん」
「でもいい。嫌われてなければそれでいいの……チュゥ……」
「ゆき……大好きだよ」
「もっと言って」
「大好きだよ」
「もっと」
「大好き。ゆきのこと好きすぎて困ってる」
「好きが増えた?」
「増えた」
「うふふふ……よく言えました」
「ご褒美ちょうだい」
「はい、ご褒美……チュ……チュウ……」
幸せ。
「ゆき、唇尖らせすぎ……」
「そんなゆきが可愛いって思ってるんでしょ……チュ……」
「すごい自信……チュ……」
「違うの? チュ……」
「違わない……チュ……」
どうしよう。下半身に、何かが溢れてきちゃった。
「ねえ、パパ……」
「なに?」
「ゆきにも……ご褒美、ちょうだい……」
「ご褒美?」
「パパのために頑張ったご褒美」
「なにがほしいの?」
「むーー。わかってるくせに」
「わからないよ」
「……さっきから当たってるやつだよ。ゆきのお腹に……」
「おちんちんのこと?」
パパの目を見て、コクリとうなずく。
精一杯可愛く見えるように。
「俺のこと大嫌いなのにこれがほしいの?」
パジャマのズボンがするりと脱がされた。ドキドキする。
「あぁん、いじわる。ほんとは大好きだもん」
夫の手がショーツにかかる。腰を浮かせ、協力する。
「あれ? 大好きなのに二軍のパンティーなんだ。Zには可愛いパンティー見せてたのに」
「もう……いじわるだよ? あとパンティーって言わないで」
「あはは。ま、そういうのも興奮するんだけどね」
「寝取られくんの思考回路にはついていけないわ」
パパのおちんちんがぴくんと跳ね、私のお腹を叩いた。
「これが欲しいの?」
「欲しい……。だってゆき、パパのために頑張ったんだよ……?」
ショーツは片方の膝にひっかかったまま。なんだかあわててエッチしてるみたいで恥ずかしい。
「知ってる。ありがとうね」
「じゃあ、早くちょうだい」
「ふふふ。ゆき可愛い。挿れるよ……」
「うん……挿れて…………ぁ……」
パパのおちんちんが、私のおまんこに入ってきた。
「ぁん……ん、んん……」
大好きなパパのおちんちん。暖かくて、硬くて、可愛いおちんちん。
あれ? でも困ったな。
なんだかこのおちんちん、ぜんぜん気持ちよくない――。
*