甘い同棲生活G-3
ーーそのときだった。
目の前のふすまが開く。
加奈子は急いでスマートフォンの動画を止め。ーー前のように止めただけでは見られる可能性があるから画面を閉じ、枕の下にスマートフォンを押し込む。
「かなこぉ」
理央が寝ぼけて、階段を降りてきたらしい。
目をこすりながら布団に近づき、布団に潜り込んできた。
「むぎゅぅ」
柚木よりも子供っぽく甘えてくる。
「一緒に寝る。さみしい」
(む、無理……こんな、生殺し……じゃない)
どきん、どきん……と加奈子の心臓が動く。
「……ここで寝ていいから。あたし、上行く……」
「なぁんで? 僕と寝るの嫌? 今日のこと怒ってる?」
「怒ってないし、嫌じゃないけど……今日は……」
理央はその言葉に不安そうな顔をしたあと、加奈子の体を抱きしめる。
今にも眠ってしまいそうな理央のおだやかさとは反対に、加奈子の呼吸は浅く、体が熱くなっている。
「ゆっくり寝たいのに邪魔した。ごめん。でも、加奈子とえっちしたいとかじゃないよ。寝るの邪魔しないからこうさせて」
それならなおさらーー
加奈子も理央の体を抱き締め返した。
抱きしめて、先の映像を思い出し、ねちっこく乳頭を捏ねられている女の姿を思い出す。
理央に体を近づけて、胸元をまるで理央にこすりつけるようにした。
「はぁ……ん、んん……」
加奈子の甘い吐息が漏れる。
乳頭を擦り付けたとしても、理央に触られるような強烈な刺激は得られない。
「加奈子、もしかして具合悪い?」
寝ぼけた頭が冷めて来たのか、浅い呼吸を心配され、理央に問われる。
「ちが、違うの……」
最低だ……そう思いつつ、左手で理央の体を抱き寄せながらも、自身のパジャマの中に、右手を差し込んだ。
もう我慢できなかった。
必死で動く加奈子の右手が、理央の太ももの辺りに当たってしまっている。
くちゅくちゅ、と粘着質な音。
理央の首筋に吹きかかる、熱い吐息。
「も、とまらない……。ん、んぅ。恥ずかしい……のに」
理央の匂いを感じながら、先程の映像を思い出し、指先で固く、尖りきったそこを捏ねる。
「は、ぁ………このままで、いて、理央」
「加奈子……。して、るの……」
「音聞こえてるくせに……そんなわかりきったこと、聞かないで…………我慢、できな……い……」
はぁ、はぁ、と、さらに呼吸が荒くなる。
声を出さないまでも、目の前の理央のせいで頭が惚けてくる。
理央の体の一部に当たっていた手はいつの間にかーー彼の逸物に当たっていて、それが固くなっている。
(欲しく、なっちゃう……)
指の動きが早くなり、加奈子は理央の体を抱きしめてーー果てた。
あまりに理性を削られた行為で、終わったあとも、彼の顔が見れない。
「ぼ、僕、もしかして、邪魔しちゃった……の?ごめん……」
「聞かないで、本当……。恥ずかしいの」