【11・終局】-2
『ピピピピピッ』
スマフォに設定していたアラームが鳴る。
いつの間にかれっさんの上に重なるようにして眠ってしまっていたらしい。
「おお…すげぇなwww」
れっさんを起こそうとして自分がやったことに驚く。
身体は俺の精液で髪から足まで白濁した状態になっており、乳房にはいつの間につけたのか、薄く歯型まで見えた。
「れっさん生きてる?ww」
ぺちぺちと頬を叩くと、微かにうめき声が聞こえる。
その頬は赤く腫れており、手加減していたとはいえ何度もぶったことがわかる。
尻のスパンキング痕は手形がつき、もっと酷く腫れていた。
「れっさんボロボロだなぁwww」
身体を拭いてやると更に痕が見えてくる。
昨日つけた鞭の赤い線がところどころまだらになって残り、手足には枷の痣が色濃い。
何より俺のつけたキスマークが数え切れないくらいれっさんの白い肌に赤く浮いて見えた。
「カシャッ!カシャッ!」
スマフォを向け、自分の勲章のようにその姿を写真に収める。
「れっさん…俺の印が消える頃にはまた…つけにいってあげるね♡」
そう耳元で囁くと、俺は帰る準備に取り掛かった。
「ん……」
逃げる手を掴み、センさんがわたしに覆いかぶさってくる。
「やめ、やめ…て…!」
必死でセンさんから逃れようとするわたしを嗤い、手で身体中をまさぐり、服を破り捨てるとわたしのナカに入ってくる…
「いやああああぁあーーっ!!!」
自分の叫び声でわたしは目を覚ました。
どのくらい眠っていたのだろう?
身体が鉛のように重く、指を動かすのも自由にならない。
(ここ…は…?)
窓を見るとカーテンに触れる光が弱く、今が朝なのか夕方なのかさえ区別がつかなかった。
(あ…わたしの…部屋…)
どうやって帰ってきたのか覚えていない。
少し動かしただけで軋む身体を動かし、自分の腕を見る。
パジャマを着ているようで、寝ているのも自分のベッドだった。
「……っ!」
全部夢だったと思いたいが、手首に見える手枷の痕と袖口から見えるキスマーク…何より、身体に残るセンさんの手や舌や吐息の感触が染みついたように離れず、現実だと思い知る。
「ぐっ…う…」
気持ち悪い。
吐きそうになる。
トイレに行きたかったが、ベッドからまったく起き上がれなかった。
(お風呂…入りたいな…)
せめて、身体の感触を消すように少しでも洗い流したい。
目を開けるとぐらぐらと視界が揺れ、頭が朦朧とする。身体が熱く痛い。
「ふっ…うっ…うう…」
……数日前までは何もかもきちんとしていたのに。
何がいけなかったんだろう?
車に乗らなければ、オフ会の誘いに乗らなければ…センさんと出会わなければ…
「うっ…ひっく!うぅ…ああぁ…わああぁあ!!!」
耐えきれず泣き出す。
泣くだけで堪らなく痛くなる身体を抱え、いつしかわたしはまた、深い眠りについていた。
このまま何も考えず眠っていたい、このまま………