最高のパートナー-2
会見は終始和やかなムードで進行して行った。2人の美人社長の会見と言う事もあるが、コンセプトプレゼンなど、堅苦しさのない進行に会見に出席している記者達もリラックスして出席出来ていた。
そんな中、そろそろ会見が終わろうとした時、都姫が少し調子悪そうな様子を見せた。俯き少し額に汗を浮かべていたのを美羽が気付く。会見最後の質問タイムの少し前、美羽が言った。
「フェミニンマインド社はこの1ヶ月、それこそ寝る間も惜しんで、ご存じの通り仕事に追われて参りました。特に東原CEOは先頭に立ち会社を引っ張って来ました。ホントは今日、体調不良で出席出来るかどうか分からない状況ながら無理してこの会見に出席しました。ですのでちょっともう限界のようなので、東原CEOはここで退席とさせて頂きます。」
えっ?と言った表情の都姫をスタッフが寄り添い退席する。都姫は申し訳なさそうに記者達に頭を下げた。それから質問は美羽が対応し会見は終わった。
控室でソファに座る都姫。鉄平が寄り添っていた。そこへ会見を終えた美羽が戻る。
「都姫さん、大丈夫?」
「美羽ちゃん、ごめんなさい…」
「いいのよ、都姫さんのお陰で会見は大成功だったわ?良く最後まで頑張ってくれましたね。」
「もしかして本調子じゃない事…」
「なんとなく気付いてた。でもあまり心配されるの嫌そうだったから様子を見てたの。」
「バレてたんだね。ごめんね?」
「いーのよー。ねぇそれより、都姫さん…もしかして…」
都姫はギクっとする。
「う、うぅん…」
歯切れが悪い都姫。鉄平には何の事か分からなかった。そんな鉄平を見て美羽が言う。
「鉄平くん、意外と鈍感なのね…」
「えっ?えっ?」
2人の顔を交互に見る。すると都姫が言うか言わまいか悩んでいるかのような様子で、口を開き小さな声で言った。
「妊娠…したの。」
その告白に鉄平は大きく驚いた。
「えっ…?ええっ…!?」
まさに言葉を失った鉄平は驚きを隠せない。
「だ、だって一言も…」
「な、何か…いざ妊娠したって分かったら、言いづらくなっちゃって…」
鉄平は自分との子供が欲しいとは言ってくれていたが、いざ妊娠すると喜んでくれるかどうかが不安で言うに言えなかった。
「鉄平くん…、産んでもいい…?」
不安そうに上目使いで様子を探る都姫に、鉄平は迷わず応える。
「いいに決まってんじゃん!マジ!?俺と都姫の子…!?信じらんねー!」
急に喜びを爆発させ都姫を抱きしめてはしゃぎまくる。
「ホント?産んでもいいの??」
「何言ってんだよ!むしろ早く産んでよ!早くパパになりてー!!あー都姫ぃ!めっちゃ愛してる!!」
人目も憚らずキスする鉄平に、都姫は嬉しくて少し涙を流しながら笑顔を浮かべる。
「ンフフ♪」
何だか知らないが、美羽まで涙が溜まってしまった。