第四十二章 セカンドキス-2
大きな半月型の瞳が、潤みがちに見つめている。
(何て、綺麗なんだ・・・)
男も信じられぬ思いで見つめ返している。
プックリと弾力をみせる形のいい唇は、遂さっきまで自分のペニスを咥えていた。
余りにもうまく事が運びすぎて、気味が悪いくらいだった。
当然、香奈子には強力な眠り薬を飲ませていた。
エクスタシーが頂点に達すると同時に、気を失っているのだ。
そうとは知らない圭子は、竹内の言葉を完全に信じ込んでしまっている。
「香奈子はどうして、
かなり淫乱な女だったぜ・・・」
気を失って聞こえないのをいい事に、話を作り替えている。
「今日だって、アイツから誘ってきたのさ・・・」
(う・・そ・・・)
心の中で否定しながらも、男の話を聞いていた。
「お前も、同じ血が流れているんだぜ・・・」
(ああ・・・)
ひどいと思いつつも、否定できないものがあった。
現にこうして、竹内の腕に抱かれながら逃げようともしない自分がいる。
身体が熱く、何かを欲しているからだった。
「そうだろ、圭子・・・?」
耳元で囁く声が、くすぐったさと共に心地よく感じ始めている。
「俺たちのセックスを覗きながら、
オナニーしていたんだからな・・・」
「い、いやぁ・・・」
圭子の顔は羞恥心で真っ赤に染まっていた。
全て紛れもない事実だったからだ。
だが、それは強烈な媚薬を飲まされていたせいだとは知らない。
あくまでも自分の好奇心と淫乱な血のせいだと、思い込んでしまっている。