重ねる逢瀬―1-1
奈岐は睦夫と抱き合って深い深呼吸を続けていた。全てを出し合い、感じ合った最上のセックスだった。奈岐にとってこんなにも身体中が快感の余韻で満たされたことはこれまでに一度も無かった。じんじんというしびれが血流を通して身体のすみずみまで行き渡っていった。
短い時間だったが、奈岐は放心のまま眠った。
気が付いて時計を見ると10時半を指していた。横の睦夫は大きな息をして寝ていた。起き上がって睦夫の顔を見ると、全てが満たされた少年のようなあどけない表情をしていた。奈岐は可愛くなって、頬にキスをした。
夢中になって出た汗や自身の唾液や愛液、睦夫の唾液は全てが愛おしかったが、洗い流さなければならなかった。この時間にタクシーを拾って帰れば、啓介にはなんとか言い訳が立つ、支度をして帰ろう。奈岐はシャワー室へ向かっていった。
奈岐は、今日のむつ事のすべてを洗い流し、身体を拭き、服を着、身支度をして洗面を出た。そして、寝ている睦夫のところに行き、その口に軽くキスをして、
「睦夫さん、それでは帰るわね」
と静かに言った。
睦夫が、出ていこうとする奈岐に向かって、
「奈岐ちゃん!また逢ってくれるね」
と声をかけたら、奈岐は振り向いて、一瞬ニコッと笑って出ていった。
次の逢瀬の機会は意外に早くやってきた。仕事の打ち合わせが三週間後の火曜日の午後、睦夫の会社で行われることになった。このとき上司が同行することになっていたのが、上司に別件が入り、要件の前打ち合わせをしっかりとして奈岐が代行して新庄の会社と同意を取り付けることになった。
睦夫からは、事前に電話があり、打ち合わせの準備に関することの連絡があった。そして最後にその日の夜の誘いを告げるだけ告げて睦夫はそのまま電話を切った。
奈岐はまた、どうしようかと迷った。二、三日考えていたが、やはり結論が出ないまま当日を迎えていた。
その日会社から睦夫の会社に単身で訪問し、応接室に通され奈岐はしばらく待っていた。今日も睦夫がひとりでやって来て、応接してのドアの鍵を閉めるのを確かめるようにした。少し小さな声で、
「よく来てくれたね。仕事を片付けてから二人で出かけよう。
今日はホテルでルームサービスで食事をしないかい?あそこのルームサービスは結構おいしんだよ」
奈岐は、そういう睦夫を見ていてこの前の情事が思い出されて誘惑に抗しきれなくなってきた。睦夫は続けて、
「今日は、奈岐ちゃん、一段ときれいだな、、、、
さあ、早いとこ仕事を片付けようか」
と言って、資料を取り出し、奈岐に説明し始めた。
仕事が片付いたので、睦夫は、
「4時にタクシーを呼んであるんだ、もう時間だ。
さあ、いこうか」
奈岐に迷いはなくなっていたが、少し緊張して、
「ええ」
と言った。
タクシーに乗り、睦夫がこの間のホテルの名前を運転手に告げた。睦夫は会社から乗るタクシーだったので何か話したそうにしていたが余計なことを言うことはなかった。
ホテルの玄関でタクシーを降り、フロントに向かった。そしてチェックインし、キーを受け取り二人で部屋に向かった。エレベーターでは、二人きりになったので睦夫は奈岐の手を握り、
「今日が待ち遠しかった、君を想うと胸が熱くなる、好きだよ」
と言い、手に少し力を込めた。奈岐は少しうつむいて握られてない手で睦夫の腕を掴んだ。
部屋に入ると、睦夫は念のためドアガードを倒した。そしてベッドの前に奈岐を導き、そのまま肩を取って向き合い、唇を奈岐の口に近づけていった。睦夫の唇は奈岐のルージュ色に光る可愛い唇に重なり、優しく愛撫した。
睦夫はしばらく唇を楽しんだ後、舌で奈岐の唇を舐め始めた。それも奈岐の上下の唇をやさしく愛おしむように続いた。奈岐は、それに応えるように舌を差し出したので、睦夫はその舌を思いきり吸った。そして二人は舌と舌を絡ませたり唇で舌を吸ったりを繰り返した。
そして睦夫は、奈岐の服を脱がせ始めた。
「今日は、僕に全部脱がさせてください」
と言い、奈岐の上着をベッドに置き、スカートのホック外すとファスナーを降ろしてそれもベッドに置いた。睦夫は、自分の上着とズボン、シャツをを脱ぎ下着姿になって奈岐の前に戻った。奈岐をもう一つのベッドに座らせ、ストッキングを腰から剥ぎ取り足元を通して隣のベッドに投げた。奈岐の白く美しい豊満な下半身が露わになった。睦夫は奈岐の脚を開き、白く豊かな太ももに口を寄せキスをした。舌で太ももの内側を舌へ辿り、膝までを丹念に舐め続けた。
奈岐はその愛撫にもう夢中になって感じていた。あん、と小さな吐息を吐いた。
睦夫は、奈岐の微かに青い清楚なキャミソールを剥ぎ取り、ブラとショーツ姿の奈岐に見入った。豊かな白い女体そのものの、女神のような肉体が睦夫の目の前にいた、愛情が胸に迫った。奈岐を再度立たせて抱きしめ、激しく口を吸いあった。
奈岐はお腹に睦夫の大きく硬いモノを感じながら夢中で口を吸っていた。このモノがまた私の中に入ってくる、、、、、、