甘い同棲生活@-3
「あたし、お風呂入ってきちゃう。木綿子ちゃんは……、ちょっと入らない方が良さそうね」
ふふっ、と加奈子は笑う。
理央も木綿子もかなり、上機嫌で、酔っている。
「んん、眠たいですね……」
「隣にお布団、敷いてあるから。あたしと寝ましょう。ふすま、仕切ってあげるから、布団の上に置いてあるスエットに着替えたらいいよ」
「はーい」
のろのろと木綿子が和室の方へ歩いていき、その横を加奈子が支えるようにしながら歩く。
キッチン側も、廊下側もふすまを閉めた。
一人で着替えられなさそうなほど、酔っているらしい。
加奈子は、眠そうに布団の真ん中に座る木綿子のニットをまず脱がしてやる。
「んん、ごめんなしゃい……脱げない……」
「今日、生理とか?体調悪いのにたくさん飲ませちゃった?」
「ううん、違う。楽しくて……」
「そう、なら良かったけど」
加奈子は笑うと、木綿子のシャツのボタンを外して、柚木を昔着替えさせたように慣れた手つきでスエットを着せていく。
「ん。寝てなさい。ここにお水のペットボトル置いておくから」
「はーい、中村しゃん、ありがとーーぉ」
そう言うと、すー、すー、とすぐさま寝息が聞こえてきた。
加奈子がキッチン側に行くと、理央もかなり眠そうだった。
今にもテーブルに突っ伏しそうである。
「ーー理央、ここで寝ると風邪ひくからね。こんなに酔うなんて珍しいじゃない」
ふわふわの髪の毛を撫でて言う。
「んー。やっと理央って呼んでくれたっ」
ぎゅぅうっと理央が加奈子に抱きつく。
まるで、柚木に抱きつかれたみたいだ。
「木綿子ちゃんの前じゃ呼べないでしょ。理央も、呼ばれたら恥ずかしいくせに」
「ん、加奈子……」
抱きつくだけじゃなく、顔を上げて、加奈子の頭を抱える。
いとも簡単に理央に唇を奪われて、アルコールの匂いにくらくらする。
「ん、ん……ふぅ、ん、理央、こら」
酔っているせいで乱暴な指先は、加奈子の黒いタートルネックの裾を、スカートからインナーごと引き上げて、下着越しに胸を揉みしだく。
酔っている理央に体重をかけて、倒れてしまったら困るから、加奈子は椅子に膝をついて体重を支える。
だが、下着のホックをいつの間にか外されて、乳頭を指先が捕えると、体がびくびくと震えて、理央に体重を預けてしまった。
「……んん、木綿子ちゃん、寝ちゃったと思うけど……こんな、こと……ダメ」
彼に体重を預けているせいで、いやらしい吐息を理央の耳元で吐き出しながら、思わず誘うような台詞を言ってしまう。
「加奈子、隼人に触られた時は、あんなにえっちに誘ってきたのに?会社で、咥えさせてって言ってきたこともあったのに?」
今日の理央は酔っているせいで、大胆だ。
隼人が隣で眠っていた時も、会社での行為も、加奈子から誘ったものだ。
理央はいつもなら、横にいるのが柚木である時さえ、触れてこようとはしないのだから。
「…したくなっちゃうけど、ダメ。武島くんと違って木綿子ちゃんには、あたしたちのこういうところ、見せたらダメでしょ。それにこんなに酔ってるから、理央のあんまり、元気出ないみたい」