one-sided love*happy end*-1
『あれから…どう帰って来たんでしょ…?』
気付いたら、自分の部屋に居た。
そして隣りには…
「ハユ…へーき…?」
兄やんが居る…。
見つめられて、気まずくなって俯いて見えたもの。
アタシにくれるつもりなのか、手には煎餅。…煎餅…?
でも…
そんな天然な兄やんが大好きで。
いつもなら、笑って言葉を交わせてるだろうね…。
でも、今は…一緒に居たくない。
また…泣いちゃいそうだから。
とか思ってたら、再び涙が溢れてきた。
「…!ハ…ユ……?」
いきなり泣き出したアタシを見て、兄やんはうろたえだした。
「…どっか、痛い…?」
首を、思いっきり横に振るアタシ。
「ど…した…?」
痛くなんかない。どこも、痛くなんか…
「…るし…。」
自分でも聞こえないような、小さい声。
「ん…?」
………この人はちゃんと、聞いていてくれているんだ…。
この人には、アタシの声が届く…。
どんな小さくても、どんなに掠れてても、きっと届く。そして、優しさが返って来る。
でも…
気持ちは…届くだろうか…?
届いた所で、返って来るのは…何?
もし、優しさだったなら…?
それなら、欲しくない。優しさはいらない。
……アタシにへの愛が返って来て欲しい。
「…兄やん。」
アタシが手を握ると、その人は笑って言った。
「…ハユル…。」
ドキッとした。初めてだった。呼び捨てで呼ばれたのは。
ベットに連れてかれる。