結婚生活-3
啓介がもうこれ以上我慢できなくなった時、、
「奈岐、逝くよ!」と叫んでピストンスピードを一段と挙げると、
「啓介!逝く―――!」と言った次の瞬間、奈岐が逝ったのがわかった、同時に射精の瞬間の直前も直前、啓介は奈岐のあそこから抜いたモノを奈岐の陰毛の上までもっていき手を取ってしごかせた。啓介は快感の頂点を極めて勢いよく奈岐の陰毛の中に精液をほとばしり出した。
啓介が奈岐の陰毛に精子を出したのは、お腹までもっていく時間が無かったからだった。精液が奈岐の陰毛の中をしたたり落ちて膣にまで垂れると妊娠するかもしれない、いけない!っと思い、啓介はティッシュを取って自分の精液を急いで拭いていた。奈岐は、そのことに気付いてはいたが、今まで感じたことない快感に全身をしびれさせて激しい呼吸を繰り返していた、、、、
啓介は、この旅行で奈岐に対して前戯を丁寧に時間をかけて逝かせてあげることを続けてくれた。しかしそれが返って入れてからの耐久時間を短くしていた。奈岐はそれを満ち足りないとまでは自覚しなかったが、旅行中何度もそのセックスを繰り返すうちにそのことで何かが奈岐の胸の中に巣食っていくことになった。
旅行が終わると日常がまた帰ってきた。秋になり啓介は一層仕事に集中するようになっていった。そしてセックスは夏の旅行の経験とは裏腹に淡白になっていったのだった。それは旅行の前よりもそうなっていった。男にとっては、奈岐のような健康的でその上知的であって可愛い女を自分のものにしたいという思いと、世に出てひとかどの人間になろうとする思いとは重なるものでもあり、仕事の締める比重が啓介の意識の上で徐々に上回っていくことはやむを得ないことかもしれなかった。時がたつにつれて奈岐の頭はこのことを理解するようになったが、何かが心を巣食っていくようにもなっていくのは、これもやはりやむを得ないことだったのかもしれない。
奈岐にとっても仕事は大切なものになっていったのは当然のことだ。三年、四年と仕事に熱心に取り組んでいるうちに期待に応えられる喜びも覚えたし、今している仕事の意味もわかってきていた。そして出来ることが増えていくことにも大きな喜びがあった、もちろん給与のアップにも。
そういう二人の間に、子どもをつくるということに関して、話がされなかったのはある意味で不思議なことだった。結婚前に啓介から子どものことはしばらくしてからにしよう、と言われていたのでしばらくは奈岐も考えないできたし、セックスの時に快感は求めるけれど奈岐の中に精液を出すことは絶対にしない毎度の啓介を見てきて奈岐も知らず知らずに子どものことを考えない習慣になっていた。それに奈岐は気が付かなかったが心の底に少しづつ堆積していく少し寂しいことだった。