るみ子に捧ぐ 5-1
るみ子は、壱郎によって内心を犯されてしまった。るみ子は、開花した様でこのまま妖艶な体が退化していくのを見ているだけは余りにも哀しいと気付いた。今まで何を怯えていたのか、こんな体出し惜しみしたところで誰も見ていないし、私を雌として見ていたのは、壱郎様ただ独りその現実に涙がでてきた。
今まで生きてきて声を掛けてきたのは主人一人だった事が、余計に不安を助長させた。よくある話で自分の名前を呼ばれたのは記憶の限りなく、呼び起こしてくれた壱郎の存在が大切な人に変わりつつあった。
「この体、乳房は私をこの世界に導いてくれた壱郎様に捧げないと」
「きっと壱郎様は許してくれるわ」
「許してくるならなんでもしないと」
壊れたるみ子は、明日逢う壱郎へ従順を誓う覚悟をしていた。