恋人からの嫉妬-3
佳織が自慰に集中し出して、荒い吐息だけが聞こえる。
左手で乳頭を弾きながら、右手をパジャマの中に差し込む佳織の姿を理央は想像する。
佳織のいやらしい姿を想像して、自らのものを取り出して、しごいてしまいたい。
だがここは、加奈子の家のリビングでーー
何とか自らの欲求を抑えつつも、佳織の卑猥な声に耳を傾ける。
「は、ぁっ……ねえ、クリで、いく、いくの……っ。あぁ、んんっ……!」
甲高い声が聞き取れて、理央も、はぁっ、と息を大きく吐き出す。
「んん、ダメ……足りないよ……理央に聞かれてると……思うと……」
ガタ、ガタ、と引き出しを引く音、さらにはピッ、というゴムのような音がした。
何とか呼吸を押さえようとしながら、スマートフォンを理央は耳に当て続けていた。
「ん、ん………今ね、下……脱いで、枕に顔つけながら、膝立てて、お尻高く上げてるの……。理央に、後ろから……無理やり……突いて……欲しくて……」
そう言われて、ぞわぞわっ、と腰の辺りに寒気が走る。
すると、ブーン……というモーター音がしだした。
「普段、ひとりのとき使わないんだけど……これね、悠斗くんに……もらったの。音、聞こえるでしょう……?」
「悠斗くん」とは、佳織の恋人のことだ。
佳織の寝室に、小さな電気マッサージ器があるのは知っていたが。
「今日は……いれ、ちゃ……う、あ、あ、おっきいのに、すぐ、入っちゃう……っ」
まるでうわ言のように、佳織が言う。
「え、バイ……ブ?」
「う、ん、理央に後ろから、されてると思って、んん、バイブ、使ってるっ、奥まで入ってるっ。は、ぁ、んっ、こんな体勢で、理央に聞かれて、オナニー恥ずかしいよぉ。
んんっ、今、しきゅ、うの入口、ぐりぐりしてるっ。理央が、いつも奥で、ぎゅうぅってやるやつ、されてるみたい……!」
ゴムの音は、おそらくスキンをつけた音だったのだろう。
佳織の途絶え気味の声と、モーター音がスマートフォン越しに響く。
「ぁ、あっ、オモチャじゃな、くて、理央にぐりぐりされたいよ、ん、は、ぁっ……バイブ、入れてイッちゃ、うっ……!!」
(僕だって、本間さんのナカ……入れたいよ……!)
我慢しているせいで、足先は冷たいのに、呼吸は荒く、顔は紅潮している。
当然、下着はテントのようになっており、早く出てしまいとズボンをつきやぶってしまいそうだった。
だがなんとか、左手でそれを押さえて、しごきたい気持ちをこらえる。
「足りないよ、んん、ズボズボしちゃう、んんっ」
普段は気品溢れる女が、理央に犯されるところを想像して、四つん這いになり、淫具を自ら秘部に突き立てているという。
「は、ぁ、っ、お腹の裏側擦れて、いいっ、気持ちいいよぉ……っ」
加奈子とは違う直接的な卑猥な物言いに、もう理央は我慢の限界だった。
さらにはぐちゅ、ぐちゅ、とペニスを模したそれと、佳織の秘部が結合する卑猥な音、いやらしい声がスマートフォン越しに響いて、理央の目が血走る。
「や、ぁんっ、また、いくっ、いくのぉ……!」