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その男、ライデン PART 3
【サスペンス 官能小説】

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その男、ライデン PART 3-2

ライデンはカウンターに座って寺越を待った。
「久しぶりだな」
カウンターの向こうから声がした。よく見ると寺越だった。
「課長、お久しぶりです」
ライデンは一礼した。
「課長はよせよ、昨年末に退職したんだ」
「じゃ、何と?」
「寺でいい。何か飲むか?」
「ウイスキーの水割りで」
「ジャックダニエルだろ?」
「はい、覚えていたんですね」

「もう6年か」
「はい。・・・寺さんは今どうされてんですか?」
寺越は店全体を見渡しながら
「この店をやってるんだ」
課長時代には決して見せなかった、吹っ切れた笑顔だった。
「寺さん、こんなご趣味が?」
1人の店員が酔った客に下着を破られ裸が丸見えになっている。
「こういう店は特別な性的趣向者しか来ないからちょうどいいんだ。この店でどんなハレンチやっても警察は私には手を出せないしな」
寺越はほくそ笑んだ。

少し間があってから寺越は重い口を開けた。
「茜くんは残念だったな」
茜とはライデンの元恋人の橘茜だ。実は茜の兄はライデンの元同僚で6年前ライデンの目の前で殉職したのであった。そして1年前、茜もこの世を去った。警察では自殺扱いになっている。

「寺さん、私は茜が自殺なんて信じませんよ」
茜は自宅マンションの部屋で首を吊った状態で発見された。ライデンはその朝マンション入り口まで茜を送っていったのだ。入り口ではなく部屋まで送っていけばと思うとライデンは何度も自責の念にかられ眠れぬ夜が続いた。橘兄妹の両方の死を防げなかったことでライデンは深く塞ぎ込み、そして街から姿を消した。

「ライデン、今どうしているんだ?もう探偵はやめたのか?」
ライデンは答えなかった。
「実はな、今日呼んだのはおまえさんに手伝ってもらいたいことがあるんだ」
「このヌードバーの手伝いですか?」
ライデンは笑った。
「茶化すな、真面目な話だ」
寺越は真剣だった。
「世の中のゴミ掃除をしないか?」
「ゴミ掃除?」
「今私がやっていることは橘が生前私に話していたことでもあるんだ。刑事をやっているとどうしても法律の壁にぶち当たる。理不尽なことにも耐えねばならない」
ライデンには寺越の言わんとすることが容易に想像できた。ライデンも橘の生前に話していたことだったからだ。
「この店の名前を橘にしたのは、橘の意志を継ぐってことですか?」
寺越はゆっくりと頷いた。

「やります。やらせてください。茜が死んでから私は生きている意味が分からなくなっていた。でもゴミ掃除なら私も生きる意味があるし、茜もきっと喜んでくれるでしょう」
「頼むぞ」
「はい」

すると一人のアメリカ人が隣りに座った。2メートル近い大柄の男だ。
「ライデン、この男は元CIAのデイビットだ。おまえのサポート役だ」
ライデンとデイビットは握手を交わした。

〜現在〜
男は穴の中にめぐみを蹴り落とした。そして自らも穴に入った。
「これは文雄さんの分だ」
そう言って男はめぐみの左の乳首を切り落とした。
「これは文雄さんの奥さんの分だ」
そう言って今度は右の乳首を切り落とした。
女は血みどろになりながらも穴から逃げ出そうと必死になった。
「そしてこれは罰だ」
そう言って男はめぐみの膣内にナイフを思いっきり突っ込んで引き抜いた。
女は膣内からも出血した。
「ねえ助けて、まだ死にたくないの。ねえ助けて。何でもする。オナニーしてもいいわ。私のオナニー見たくない?」
「見たくないね」
「あなた一体誰よ。何でこんなことするの?」
「ゴミを掃除したいだけだ」
男はもう一度膣内にナイフを突っ込んだ。するとめぐみは激しく痙攣して動かなくなった。

男は穴から這いずりあがった。空を見上げると満天の星空だった。そして電話をした。
「デイビット、終わった。ゴミを掃除した。後を頼む」
「お疲れ様。ライデン」

電話を切ったあと、ライデンはめぐみの服一式を穴に投げ込んだ。そして自分の服も予め用意したものに着替えると脱いだものは全部穴に投げ込んだ。そして、ライデンは林道に出ると車の置いてある方向に向かってゆらりゆらりと歩いて行った。

(終わり)


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