ヒジリ-12
時田は膨らみの愛撫から頂点の愛撫へと移り、そこを口に含んだ。
『んっあっ!』
あたしは痺れにも似た快感に声をあげながらも、時田の太い鎖の形をしたネックレスを外しにかかる。
鎖の先端のペンダントトップには百合の紋章が刻まれた南京錠がついていたが、ネックレスを外す場所はその南京錠では無く、襟足側にあるアルファベットのOとTに似た形の金具だった。
それを外す為にあたしは時田の襟足に両手を回したが、それは同時に時田の顔をあたしの胸に押し付ける結果になった。
『やぁっ、ふぁっ。』
痺れの様な快感はアタシの背筋を駆け登り、頭に届いたその快感は確実にあたしの理性を溶かしていく。
『…時田ぁっ。』
あたしは彼の名を呼んだ。
「清って呼べよ。俺にぴったりの名前だろ?」
胸から唇を離した彼は言った。
『せ…い。』
あたしは呼び慣れぬ恥ずかしさから、頬を赤く染めた。
「聖、お前も、ぴったりの名前だよ。」
清はそう言ってにっこりと微笑んだ。
そして清の指はあたしの肌をなぞり、触れられる事を待ち望んでいた秘部へと進む。
あたしは清の言葉の優しさに涙した。
『…ありがとう。』
“清め”が始まる以前からはだけていた清のYシャツを脱がせ、あたしは清の肩に唇を寄せた。
清はあたしの秘部に指を侵入させ、その場所の熟れ具合いを確かめた。
「…熱い。」
『ねぇ…清。』
不意に2人の言葉が重なり、あたし達は同じ願いを確認した。
緩く絞められた清のベルトを外し、あたしは清にズボンを脱ぐことを促した。
「わかった。」
清は短くそう言うと全ての衣服を脱ぎ、あたしの両脚を割った。
『あたしの体、綺麗になるかな?』
清の体の重みを感じながら、あたしは尋ねた。
「元々、聖なる体なんだ。大丈夫だよ。」
―ありがとう…。―
あたしは産まれて初めてこの名前を誇りに思った。
『あっあんっ!』
清は優しくあたしの中を押し開き、あたしの中へと侵入する。
そして清が奥まで侵入を果たすと、あたしは今までに感じた事のない快感を味わった。
『ふっあっ、ひゃぁ、んんっ。』
清自身があたしの中で波打ち、その波があたしに強い挿入感を与える。
そして清はゆっくりと自身を前後させ、徐々にそのスピードを上げていく。
『あっ、清ぃっ!激しっ、あぁぁ!!』
清に抱かれて得る快感は、これまでにあたしが受け入れてきた男達からのものとは全く別ものだった。
今まであたしは男から受ける快感を自らの中でコントロールし、達するタイミングをはかる為に強すぎる快感は受け流してきた。
だが清に対してはそんなコントロールが出来ず、あたしは与えられる快感の全てを受けている。
『清っ、なんっか、…今までと、全然違、あぁっあ、違うよぉ!』
そんな叫びにもにたあたしの声に、清も息も絶え絶えといった様子で答えた。
「そりゃっ、そうさ。今まで聖の中には淫魔がいたんだ。うっくっ、淫魔なら、自らが…満足するために、程良い快楽へと感覚を制御する事も可能、っだろ。だから好きな時にイけるし、つっはっ!イかずに男を締め付け続ける事だって出来る。ん…ケド今の聖には、はぁっ、もうそれは無理!」
長い台詞の合間の吐息が色っぽく、あたしはそれさえも快感に思えた。
『……て事は、これがっあ、あたしか初めてする普通のsexだ、ね。』
その言葉が清の耳に届いた瞬間、清の顔が一気に上気した。