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『友実子』
【レイプ 官能小説】

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『友実子』-1

僕は、ある女性に淡い恋心を抱いている……このコンビニのアルバイトの店員に……

『ありがとうございました……』
 セミロングの黒髪を、後ろで一つに縛った頭をペコリと下げ、彼女が微笑みかける……この笑顔が見たくて、毎日の様に……ココに足を運んでいる……僕にだけ特別に、笑顔をくれるのでは、ない事など十分理解しているのだが……彼女の笑顔を見る事が、何の楽しみも無い僕が唯一、喜びを感じられる時……

 用もないのに、コンビニに通い詰める僕……お陰で、僕の狭い部屋には、使いもしない整髪料や、吸いもしないタバコなど、無用の長物が増えていく……

 彼女の顔を見るだけで幸せな気分になり……彼女の姿が店に見えないと、奈落の底に突き落とされた様な気分になる……
 普段は無口な僕だが、これだけ毎日の様に、店に出入りをしていると……彼女と僕の間に、一言二言では、あるが、会話らしきものが成立する様になっていた……

 彼女の名前は、友実子……19歳……地方出身の女子大生……一人暮らし……地元の彼氏と遠距離恋愛中……

 たわいのない会話の繰り返しでも……小さな情報の積み重ねは……やがて大きな骨格を持った情報に成長していく……

 始めのうちは、彼女の顔を見るだけで……会話を少し交わすだけで、十分満足していたが……次第に僕の心の中で……彼女の事をもっと知りたいと言う欲望が……膨らんでいった……

 いつの日からか、僕は彼女のバイト終わりを待ち伏せする様になっていた……彼女に気付かれぬ様、慎重に……何週間もかけて、少しずつ尾行を繰り返し、友実子の住むアパートを突き止めた……

 いつも店の脇に停めてある友実子の自転車……クリーム色の外壁に濃い緑色の平屋根の二階建のアパート……外階段を駆け上がる友実子の後ろ姿……暫らくすると、一番奥の部屋の明かりが、ぼんやりと灯された……

……ここが、友実子ちゃんの部屋なんだ……

 隣の家の塀に身を隠しながら、友実子が部屋の中に消える様を覗き見ていた、僕の心臓はバクバクと高鳴り、額には汗が噴き出していた……

 気が付くと僕は先程、友実子が駆け上がって行った階段を一歩一歩昇っていた……友実子を少しでも近くに感じたいと思っていたのかも知れない……

 表札も無い、ありふれたアルミ製の玄関扉……この扉の向こう側に友実子ちゃんが……扉の脇の小さな網入りの擦りガラスから、部屋の中の明かりが漏れだしていた……

 ぐるりと玄関まわりを見回して……さぁ、家に帰ろうと思った瞬間……ガチャガチャとドアノブの音……咄嗟に身を隠す場所を探すが、ある筈もない……途方に暮れていると、扉が勢い良く開き、中から友実子が飛び出してきた……スニーカーの踵を踏んだ友実子は、薄茶色の財布を片手に持ち、扉が閉まるのも確認せず、階段を駆け降りて行った……扉のすぐ後ろに立ちすくむ僕に、気付くこともなく……

 友実子の姿が見えなくなると、口から心臓が飛び出しそうなくらい緊張していた僕の背中に、脂汗が流れ出していた……
 販売機にジュースでも買いに行ったのだろうか……目の前の扉には、鍵がかかっていない……
無意識の内に、僕の手がドアノブに伸びていた……

 スニーカーを履いたまま……恐る恐る部屋の中に足を踏み入れる……小さな玄関のすぐ脇に、ミニキッチン……短い廊下の左手には、バスルームであろう白い扉……その奥にベットの置かれた居室があった……こじんまりとした、ワンルームタイプの部屋……小綺麗に片付いた室内は、淡いピンク色の色調で統一されていた……

 淡いピンク色の壁に、数枚のツーショット写真……この人が彼氏なんだなぁ……ベットの脇の小さな丸テーブルの上には、読みかけのファッション雑誌が伏せてあった……暫らく部屋の中を見回していると……僕の耳に、微かに階段を昇る靴音が聞こえてきた……

……友実子ちゃん……戻ってきたんだ……

 咄嗟に僕は、造り付けクローゼットの中に身を潜めていた……友実子の服が吊り下げられた、あまり広くない空間の中……ルーバー状の扉から微かに部屋の明かりが差し込み……クローゼットの中は、友実子のほのかな香りが漂っていた……僕は息を潜め必死に気配を消そうとする……ドクドクと高鳴る鼓動の音が、やけに大きく耳の奥で響いていた……

 僕がクローゼットの中に身を潜めるとすぐに、玄関の方向で物音が……その物音は段々と近付き、僕の目の前に……

 僅か数センチの薄い扉の向こうに……友実子ちゃんが……炭酸飲料のプルトップを開ける微かな音……息遣いや衣擦れの音……暗闇の中で、僕の聴覚は自分でも驚くほど敏感になっていた……

 やがて、テレビのバラエティー番組の音声と、時折クスッと漏れる友実子の微笑が聞こえてきた……どうやら、僕がココに隠れている事は、気付かれていないようだ……

 ドキドキしながら過ごす暗闇の狭小な空間……息苦しさと、極度の緊張、額には滝の様に汗が流れ出している……何度、目の前のこの扉を開けてしまおうと、思っただろう……


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