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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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似た者同士-1

 出会い系サイトで不特定多数の男性と密会などしていて言うのも変だけれど、わたしは自分自身は結構まじめな性格だと思っている。

 中高生の頃、体力テストというのか長距離走の時間を測られたことがあった。スタートの笛が鳴ると、運動の得意な体育部の子たちはぐんぐんと勢いよく走っていき、どこか大人びた感じの子は同じようなタイプの仲間とつるんで、真面目に走るのはばかばかしいとばかりにタラタラと走っていった。運動が得意でもないわたしは、先頭集団についていけるはずもなく、かと言って不真面目に走るような不敵さも持ち合わせていないから、ただ、息を切らせて真ん中あたりを走っている。

 どうにか決められた距離を走り切るが、とっくにゴールしている先頭集団の子は疲れている様子など一切なく、ずっと遅れてゴールしてくる最後尾グループもおしゃべりしていて呼吸を乱す様子すらない。ぜいぜい言って大汗をかいているのは自分だけのようで、我ながら損な性格だと思ったものだ。

 まじめに走っていない子らは全員いわゆる『帰宅部』で運動とは無縁の子たちだから、身体だけはすでに大人の女性のようにふっくらと豊満で、体育着の下で揺れている大きな胸が妙に印象に残っている。休み時間に教室で顔を突き合わせては、それぞれの『色恋沙汰』…と言えばまだ綺麗だが『性的な体験』に関することなど、思わず聞き耳を立ててしまうような話をしているのも彼女たちだった。そんな話を聞くたびに(彼女たちは彼女たち、わたしはわたし)…などと心の中で強がっていたものだが、それは『密かな羨望』の裏返しであることもわかっていた。

 彼女たちの視野に入るようなわたしではなかったけれど、あれから何十年も経って、わたしもそれなりに「成長」を遂げ、今では男性遍歴も重ねていると知ったら彼女たちはどう思うだろうか。そんな感慨はわたしのただの思い上がりで、彼女たちはもっと激しい遍歴を重ねたりしているのかもしれないし。逆に、絵に描いたような良妻賢母となっているのかもしれない。わたしも一応表向きは「良妻賢母」で通してきながら、彼女たちに抱いていた『密かな羨望』を今になってやっと素直に満たせるようになったのだとも思う。

 だから密会する相手も、そんな『密かな羨望』を満たそうとしている人だと相性がいい。お互い裸になってしまえばもう隠すものも何もない…と、自分の欲望に素直になれる人がいい。もちろん振る舞いや物言いが粗暴だったり、あまりに違う嗜好だったりでは困るから、その辺は事前のやり取りで見極めるようにしている。単純に言えばただの似た者同士の方が合う…というだけのことかもしれないけれど。

 似た者同士の密会は『お互い夫や妻とのセックスでは味わえない満足感を得たい』ということに尽きる。普段はできない行為、体位、回数…。意識まで飛ぶようなことは滅多にないけれど、お互い自分にできることを精一杯駆使して相手に満足を与えようとし合っている…という実感が得られるとうれしい。

 「く…。これ以上動くと逝ってしまいそうです…」

 男が腰の動きを止める。
 
 「少しお休みになっていただいても大丈夫ですよ。このまま射精(だ)していただいてもいいです…」
 「ああ、でも、ここで射精(だ)したらボク、もうこれで終わってしまいそうで…」
 「それでも構いませんよ。わたしももういっぱい気持ちよくなっていますし…」

 男はしきりに恐縮しているが、夫よりはずっと持続しているから、夫以外の男とのセックス…を愉しんだつもりにはなれている。

 「妻とスるときは一度逝ったらもう終わりなんです。今日はお口で逝かせてもらったでしょ…逝かせてもらったというか、勝手に逝ってしまったんですけど」
 「いえ、そんな…。わたしも夫にお口でしたりすることなんかないものですから、つい一生懸命になってしまって…」
 「だから、これでもまだ長持ちさせてもらっているんですけど、本当はこうして二度目に入ってるだけでもボクにとってはすごいことで…」
 「そうなんですか。わたしも夫とは一回で終わりですから。ちゃんと二度もして下さってうれしいです」
 「なら、なおさらもっと長持ちして頑張りたいんですが…」

 結局、男は我慢するのを諦めたようで、何回か腰を振ると低く呻いて達した。わたしは男が膣の中で萎えていくのを感じている。

 「すみません、逝ってしまって…。逝ってない…ですよね?」
 「いえ、お気になさらないでください…」


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