しにがみハート#4-2
「ですとらくしょん・おむらーいす!!」
「…何これ…」
俺が見たのものは、オムライスっちゃオムライスなんだが…何かおかしい…。薄い卵焼きの下にはちゃんとご飯が入っているのか…?
「食べて下さいよぉ、早く早く!」
ギンギンキラキラの眼差しを熱くこちらに向ける絢芽。
えぇい、死にかけても絢芽が助けてくれるさ!
スプーンで取り、恐る恐る口へ運ぶ。
「む…」
口の中では、甘い玉子といい具合の肉がちゃんとうま味を出している。
「あれ…?美味しい……?」
「でしょう!?」
「うんうん♪…………ぐはぁぁっ!!」
美味しいと見せ掛けて時間差トラップ!!物凄い痛みがお腹を襲う。なんつーか、トイレに行けば治るとか、そんなレベルじゃないのが。
「やっぱグレムリン入れたのがマズかったですかねー」
「や、ちょっ…助け…て…!!」
「あぁ、対処法忘れちゃいました!!」
「………死んだ…」
グレムリンとかなんだか言っている絢芽に結構怒りを覚えながらも、俺の意識はそこで途絶えた。
−−−−−−−
「さん?こーうーきーさーん?」
「はぅ…」
気が付けば俺はベットの中に居た。
っていうか何故ベット?絢芽じゃ俺は運べないはずなのに…。
「どうやって俺をベットに運んだ?」
「死神ですから〜♪」
「…やっぱり…」
「今度からはゴブリン混ぜてみますかねー?」
「普通のもので普通の料理を作ってくれ!!」
「私自身が普通じゃないですからねー♪」
口調はいつもらしく愉快だが、なーんか顔が笑ってない…。まるで早く普通になりたいような顔…。
「絢芽…?」
「ん〜、ですとらくしょん・キーマカレーでも作りますかね?」
一瞬でパッと普段の明るい顔に戻る。
俺の気のせいだったかな?
「ん。今度は美味しいの頼むぞ?」
「はっはっはぁ。死神を甘く見ないで下さいよ〜?」
「いやマジであれ食えないから…!」
「わーかーってますって!」
「じゃあ…帰るかなー…」
グッと体を動かそうとする。
ってあれ?動かない…
「えー、あ、絢芽?」
「なんですかー?」
「体が動かないのは何で!?」
「えー、あー、んー…何でですかね〜?」
明らかに目が泳いでいる絢芽。
コイツ…料理になんかいれたな…。