拒絶-1
この三か月、、、実の娘のように、といえば大仰だが、啓介は麻由を慈しんできた。
もちろんみさきの手前もある。責任を持って店で預からねば・・・
しかし、あまりにも麻由は美しすぎた。
いつからか、啓介にとっては麻由は「女」であった。
その麻由が、、、今、目の前で処刑されようとしている。
しかも、理由がどうであれ麻由を連中に差し出したのは啓介自身だ。
啓介は悔やんだが、既に麻由は犯される寸前であった。
麻由のスカートの中に手が伸び、黒いショーツが奪われる。
「あ、あの・・・待ってくださいっ」
下着を脱がされた麻由が、急に声を上げる。
「ん?、、、どうかした?麻由ちゃん」
抵抗の声すら上げなかった麻由の突然の制止に、男たちも手を止める。
麻由はカラダを起こしつつ、既に下着を着けていない下半身を晒さぬよう、片手で強くスカートを押さえる。
もう片方の手を胸にあて、一度解放された胸元をクローズする。
「あの、、、オーナーに向こうに行っててもらうわけにはいきませんか」
思わず高尾と啓介が目を合わせる。
「、、、それは・・・」
高尾が返答に窮する。どさくさ紛れに啓介が輪姦に加わるプランであることを、高尾だけが知っている。
それゆえ、麻由の申し出を了承していいものやら・・・
「、、、わかった」
ここで拒めば、せっかく麻由のために「出資」してくれた面々にも悪い。それに・・・麻由が他の連中に抱かれる姿を、啓介は見たくなかった。
そう言いつつも、、、啓介の背中を麻由は目で追う。
ここで唯一、頼れる人を自ら追い出してしまった。心細さを感じると共に麻由は、決められたとおりこの男たちに抱かれることを・・・覚悟するしかなくなった。
壁一つ隔てた向こうでは、、、啓介が不貞腐れながら、クーラーから取り出したビールを口にする。
恰好をつけて出てきたものの、、、納得がいかない。
(なんで俺より先に他の奴らが麻由を抱くんだ・・・)
そういう取り決めである。提案したのも啓介だ。しかし、、、感情を抑えることは難しかった。
「おおっ!!」
薄い壁のせいで、歓声が沸き起こるたびに啓介の耳まで届く。
麻由は、、、大丈夫だろうか?なにを・・・されてるのだろう。なにと言って、、、やることは決まっているのだが。
見えないだけに妄想だけが膨らむ。
「い、いやぁァ!!」
麻由の悲鳴に、思わず耳を塞いだ。