悲哀-1
部屋は、、、思った以上広く、入り口を抜けるとバスルームを横目にかなり広めの部屋が。バスとその部屋の間には小部屋がひとつある。
麻由は、私のかなり後ろを、、、ついてきていた。
まずは待ち兼ねていた連中に、啓介は麻由を紹介する。麻由を知る者は、高尾と会長の松井氏だけだ。
麻由は気丈に作り笑いを浮かべながらも、あからさまに不安な目をする。
それが連中をさらに興奮させる。
既に全員がシャワーを終えたローブ姿で、あとは麻由のシャワーを待つだけだった。
「麻由ちゃん、シャワーのあとこれに着替えてくれる?今日の衣装だよ」
紙袋を渡されて、麻由はバスルームに消える。
「何かあったのか、啓介?」
さっきメールのやり取りをした高尾だ。
「ああ、麻由が俺は帰ってくれ、と言いだしてね」
一同の笑いをとる。
「ここまで来て帰れないよな、、、啓介も参加者のひとりだと言ってなかったのか?」
「うん、、言ってなかった」
さすがに言いそびれた。どさくさ紛れに、というのが啓介のプランだった。
「いいよ、俺たちが上手くもっていくから」
高尾の弁だ。
そうこう話ながらアルコールも入れて、、二十分ほどで麻由はバスルームから出てきた。
セーラー服姿だった。
「おおっ、、、いいね!!」
大歓声に、もはや麻由は苦笑いを浮かべるのがやっとだった。
白のセーラー服には紺のスカーフがついており、スカートは短めのものが充てがわれていたようで、ニーハイまで用意されていた。
麻由の背中からは、黒のブラが透けてみえる。
麻由には事前に多少の質問はしていた。
「引き受けるということは、、こんなこと聞いて失礼だけど、麻由ちゃんは初めてではないんだ?」
本人が言うには一応あるらしい。
つまり彼氏も、、、と尋ねると、今はいないという。その彼とは半年も経たずに別れたという。
それからしばらく経っており、処女同然とまでは言わないが近い状態だと言う。
約二年ぶりのセックスが、おじさん相手で、しかも複数とは・・・
年のことはさほど抵抗はないが、複数で、つまり見られながらであることと、何をされるのかわからないという不安はある、と事前に麻由が語っていた。
麻由の表情からは、先ほどからの愛想笑いすら消えていた。