終章-2
楽しい時間は過ぎて、そして、別れのときがきた。
美奈は泣きそうになったが、翌月のオフに会う約束をしたので我慢した。
美奈の手には紙袋が提げられていて、中には智美たちに貰った、バイブレーターと未開封のローション、そして、美奈が身に付けていたエプロンが入っていた。エプロンには思い出として翔と彩花の染みを着けて貰ったが、もちろん、それを洗うつもりはなかった。
ピンクローターも貰ったが、それは、しかるべきところに収まっていた。
−やあん、ダメぇ−
−美奈がしんみりしそうになると、春奈が周波数を合わせたリモコンのスイッチを入れるのだ。突然の刺激に美奈はしゃがみ込んだ。直ぐにスイッチは切られたため、美奈は「もおっ！止めてください」と言いながら、上気した顔で立ち上がった。−
もう一つ、翔がキャンプ場に着くまで穿いていた赤いブーメランパンツは、帰りの車中も、翔の行為の終わる度に穿き直し、美奈の降車のときには、香りの鮮度が逃げないように、タッパーに入れられて、紙袋の底に収まっていた。
−やだぁ、またなのぉ、ああん−
−あたしにも貸してと、美奈の可愛い喘ぎ声を聞き続けていたいナナが、リモコンに手を伸ばした。−
ブーメランパンツは別にして、エプロンだけなら誰が見ても不審に思わない。思い出の品として、そして、お守り替わりに持ち歩いていても大丈夫だ。
−あん、またぁ、ダメぇ−
−こっちにも貸しなさいと言って、智美がスイッチを入れたようだ。−
その宝物に視線を落とした美奈は、（このお守りのエプロンがあれば、あたしは大丈夫）と、自身に暗示をかけた。少し自分が強くなっていることを自覚した。
−ああん、彩花ちゃんもなのぉ、やあん−
−これは誤解。怒った彩花が智美からリモコンを取り上げたが、誤ってスイッチ押してしまったのだ。ごめんなさい。と慌ててスイッチを切ろうとした結果、誤操作で強さをマックスにしてまったようだ。−
どうしても我慢ができない場合は、同性の彩花が訪問して美奈を慰めることになっていた。しかし、お守りのエプロンも有るしと微笑む美奈からは強さが感じられた。
−ああん、あたしは大丈夫ですから止めてぇ−
−最後、ね、これを最後にするからお願いと、頼み込んだ春奈が、最後にダメ押しのスイッチを押していた。−
お別れの餞に、ピンクローターで与えられた各人からの刺激に、あんあんと、嬉しそうに喘ぐ美奈を見て、彩花は密かに安堵した。
後日、亨と明が編集した動画は数時間にも及んだ。どこを切り取っても濃厚で、オナニーのおかずに事欠かないことは、女たちのお墨付きだ。
その動画を纏めたＤＶＤにパスワードを設定し、美奈が主演した映画のＤＶＤケースの中身と入れ替え、さらに厳重に包装したうえで、時間指定の配達記録付きで美奈宛に送付した。
ちなみに、映画のタイトルが美奈の清純さをイメージにした内容だった。そのタイトルの横には小さく「正反対ｗｗ」と書かれたシールが貼ってあった。
「あはは、これって、春奈お義母さんのアイデアね」
卑猥なことを、明るく全力で楽しむ春奈ならではだ。
『なんにでも楽しさを感じて、美奈ちゃんらしい明るさを忘れないで』
別れのときに、ピンクローターの振動とともに、春奈からかけられた言葉だ。美奈は、そのメッセージを再び告げられた気がするのだった。
美奈はそのパンチの効いた配慮を楽しく笑った。
美奈は自身で予想したとおり、自己紹介のときの翔の射精シーンをベストワン動画に選んだ。
「あはは、あたしったら、あんなに腰砕けにならなくてもいいのに」
彩花の可愛い口のフェラチオから続き、翔の肉棒を扱くアップの映像は圧巻だ。隆々と勃起する唾液で濡れた肉棒と、それとは真逆の彩花の白く細い指がしなやかに扱くイメージのギャップ。
「はぁ、はぁ、あんなに可愛いお口で、はぁ、はぁ、あんな綺麗な指でシコシコしてる、はぁん、はぁん」
それだけで、美奈の割れ目を擦る指の動きが速まった。そして、鈴口から精液が放たれる瞬間はスローモーションで編集され、美奈はドキドキしながら凝視した。自分が腰砕けになる引きの映像、そして、顔中に精液を塗り広げられた卑猥な顔を、何度も繰り返して楽しんだ。
パスワードは清楚な美奈からは想像がつかない『淫乱女優美奈(inranjyoyumina）』にした。これは美奈の希望だった。
そのパスワードのとおり、美奈は次回の乱交を期待しながら、毎晩オナニーを楽しんでいる。
おしまい。