お目見え、そして対決-4
お満達に視線を向けていても、吉宗の肉棒から滴り落ちる先走り液は気配でわかる。お露は視線を切ったまま、さっと手を出してそれを受け止めた。
吉宗の威光にとって、このまま滴らせたままがよいのか判断はつかなかった。
「先走りの汁は、いかがいたしましょう?」
手のひらをぺろりと舐めたお露は、お伺いをたてた。
「善きに計らえ」
「では、ご無礼いたします」
お露は喜びを噛みしめながら、肉棒に手を伸ばした。この光栄に預かれる者は少ない。それにその回数はお露が群を抜いていた。お露はそれを誇らしく思いつつ、仁王立ちの吉宗の肉棒を恭しく握ると、亀頭の先の汚れをペロペロと舐め取った。
お敏は、舌を出すお露の真横に陣取り、かぶり付くようにガン見していた。
『ごきゅり…』
将軍の味を想像したお敏は、無意識に湧かない生唾を飲み込む真似をした。
『中に入っていい?』
その味を確かめたくて、お敏はワクワクしながらお露に許可を求めた。しかし、その気配を事前に察したお露は、自身の割れ目を強く擦り、喘ぎ声を上げてお敏のその声に被せた。そして喘ぎの震えに紛らせてつつ、小さく目配せをして、お敏の願いを断った。
それは独り占めしたいからでも、嫌がらせでも無かった。見える者にお敏が憑りつける事を、吉宗に伏せていたかったからだ。
元々敏いお敏は、お露の気配を感じ取り、それ以上は求めなかった。
自身の割れ目を弄りつつ、吉宗に奉仕するのはいつもの行為。一連の動作は自然にできたと思った。しかし、
(上様の勘働きは…)
気になったお露は、肉棒を口に含みながら吉宗を見上げて様子を伺った。吉宗が目を細めていたが、それが快感によるものかは、判断がつかなかった。お露は口に含んだまま、顔を数回前後させて仕上げた。
「大義であった」
吉宗はお露を頭をポンと置いて、下がらせた。お露の唾液で黒光りに磨きがかかっていた。
「さて、お満。用意は整ったぞ。わかっておるな」
「あい」
お満はこくんと頷いた。小藩の陪臣の姉弟の名は元より、他界したお敏の存在まで知られているのだ。更に木刀を持参しろとの指示に、何を求められているかは明白だった。
「秘剣を披露すればよろしいのですね」
お満は脇に置いた木刀を手にした。
「あ、姉上、上様からできるだけ離れてくだされ。母上も上様には絶対に意識を向けぬように」
距離に反比例する絶頂波に対抗するには、距離を開けるしかないが、将軍に場所の移動を求める事は立場上できない。今にも割れ目に木刀を食い込まそうとするお満に、昨日から繰り返していた注意を、竿之真は改めて口にした。
「あっ、そうか。上様、失礼いたします」
お満が雫が閉めた襖を開けて、廊下に出ようとした。しかし、それを吉宗が制した。
「その場でも良い。しかし、裏筋と竿之真はこちらに来て後ろに控えよ」
「上様、それは…」
「なんと恐れ多い。上様と同じ上座に座るなど滅相もございませぬ」
驚く竿之真の声を遮り、吉宗の扱いに慣れない実正は固辞した。
「そなた子は?」
「あいにく、女ばかり3人でございます」
唐突の問いに、実正は戸惑いながら答えた。
「ならば、尚更そなたのためじゃ。そなたには、最後の精の証が見えぬだろうからの」
「はぁ…」
その吉宗の言葉は理解できず、実正は曖昧に返した。
理解をしなくても、これ以上固辞をすれば、実正のためにならない。真っ先にそれに気付くはずのお露が、今のやり取りを聞いて、固まったままだった。
(お露様?)
雫は疑問に思ったが、吉宗の目が細くなったのを見て、慌てて動いた。
「さぁ、裏筋様、早くこちらへ。竿之真様も」
動かぬお露に代わり、雫が実正と竿之真を促した。
「裏筋、今からお満とお敏が、我らに向けて秘剣を放つ」
後ろに控えるのを待って、吉宗が実正に伝えた。
「なんと!ならば、上様の後ろに控えるわけに参りませぬ」
実正は慌てて吉宗の前に出ようとした。
「控えおれ!確りと見届けて、見事それに堪えてみせよ」
「で、ですが…」
「いけませぬ」
雫が首を振るのを見た実正は引く事にした。
「はっ、なれど、お満に触れねばお敏は見えませぬ」
反論はご法度だったが、将軍の命はお敏を見る事も含まれている。お満から離れてはそれは叶わなかった。
「竿之真!」
それ以上のやり取りが面倒になった吉宗が、竿之真に託した。
「殿、拙者に触れても母は見えまする」
「そ、そうなのか…。ならばやむ無し」
一瞬、顔をしかめた実正は、竿之真の肉棒を握った。もちろん、身体に触れるだけでよかった。しかし、初めにお満の割れ目を触ったので、実正は性器に触れると勘違いしていたのだ。
「ひっ!と、殿!」
竿之真は慌てて逃れようとしたが、これ以上待てない吉宗に睨まれた。
「ひっ…」
実正は手を上下に動かし、吉宗の威光に固まる竿之真の肉棒をしこしこした。
「そなた、でかいな…」
これも、お満の割れ目の中を弄った経験上、実正は快感を与えるものだと思ったのだ。
「ううっ…、と、殿…、はうう」
実正の絶妙な扱き加減に、竿之真は身悶えた。
「愛い奴」
竿之真の反応に気を良くした実正は、親指の腹も使って、鈴口付近に絶妙な刺激を与えた。
「はううっ…」