お目見え、そして対決-3
お敏がこの世に迷い出てきた当初は、現世との定着が薄く、薄ぼんやりとした姿だったが、現世に慣れるに従って、明確に見えるようになってきていた。その開かれた割れ目の中身は、離れた実正からもはっきり見えていた。
「ごきゅり…」
実正自身も側室に迎えたかったほどの評判の美形。亡くなったはずのお敏のあられもない姿を前に、実正は生唾を飲み込み、またもや周りが見えなくなってしまった。
「ほほう、見えぬ者も、お満を弄れば見えるようになるか」
威厳のある声が、実正を我に返らせた。
「め、面目ございません!思いがけぬ事が続き、乱心いたしましてございます!どうか平に!どうか平に!」
今さらながらに吉宗の苛烈さを思い返した実正は、お満の股間から手を抜いて、頭を床に擦り付けて平伏した。
この日の吉宗は寛容だった。自分に見る力が有る事もわかったし、その場合に備えて、見えぬ者に見せるお満の不思議が知りたくて、実正にも同席させていたのだ。何よりも、能天気な女達を前に、怒りの気持ちが湧きようがなかった。
「赦す」
「はは〜、ありがたきお言葉」
それでも緊張の解けない実正は、更に床に額を擦り付けた。
「裏筋、面を上げよ。今から無礼講に致す。皆の者、お敏に倣って脱げ」
その言葉を受けて、天井裏から飛び降りたお露が、吉宗の着物を脱がせ始めた。お露は初めから一糸纏わぬ全裸だった。既に興奮の証が太ももに伝っていた。
招かれた四者の反応は以下の通り。
「へっ?」
実正は、訳がわからず目が点になった。
「はっ」
竿之真はその事を予想していたが、拒否する選択肢は無かった。何故か自分達の秘密を知る吉宗に呼び出されたので、秘剣を披露しなければならない事に、気持ちの整理も付けてこの場に臨んでいた。
その一方、その秘剣があるため、お満が犯される事はないと割りきってもいた。竿之真は複雑な顔をしながら脱ぎ始めた。
「あーい」
中途半端に弄られて、悶々としていたお満は、嬉々としながらく脱ぎ始めた。
そして、期待感を持って様子を見ていたお敏は、はしゃいでいた。
『きゃあ、くノ一が出たー♪飛び降りたのに、おっぱい揺れてないってすごーい。もしかして、鍛え過ぎて固いのかな?』
遠慮のないお敏の言葉に、吉宗はにやりと笑った。
「だそうだ。お露、揺れるところも見せてやるか」
「御意…」
吉宗は、自慢のくノ一の乳首を摘まむと、上下に揺らした。
「はうぅ」
お露は快感に堪えながら、吉宗の着物を脱がし続けた。
『きゃあ、さっきと違ってたぷたぷしてるう♪』
そんなお敏の声は、実正だけには聞こえていない。それが無くても目の前で進行する行為の数々に、事前に心構えの無かった実正だけは、固まったままだった。
「雫、裏筋を手伝ってやれ」
できる将軍は、目配りを忘れない。
「はっ」
固まる実正の前に、天井裏から全裸の雫が、すたりと舞い降りた。
目の前に現れた全裸のくノ一に、実正は絶句した。
『あら〜、こっちのくノ一さんは結構揺らして降りるのね。あっちのくノ一さんより、おっぱいが小さいのに』
霊には遠慮はなかった。
「ち、違う!お敏殿が再び揺れぬと言わぬように、わざと揺れるように降りたのだ」
吉宗の前で未熟を指摘された雫は、咄嗟に反応した。
『本当かな〜?揺らす気があるなら、あちらで揺らされてるお露様のおっぱいのように、激しくたぷたぷさせるでしょうに』
楽しそうな玩具を見つけたお敏は、にやにやしながら茶化した。
「な、なにを!」
手のひらに程よく納まる大きさに劣等感を持つ雫は、かっとなった。
「はぁ、はぁ、し、雫ぅ、上様の御前である。控えよ!くううっ…」
乳首を摘ままれる快感に堪えながら、お露が雫を叱責した。
「ご、ご無礼いたしました」
我に返った雫は平伏した。
「ははは、雫は修行中である。多目に見てやれ。お敏もからかってやるな」
「御意」『あーい』
雫は頬をぴくぴく震わせながら、固まる実正の着物を脱がせ始めた。
「上様、整いましてございます」
「うむ。大義である」
全裸の吉宗は仁王立ち姿にお敏の目が見開かれた。
『うっわ!上様、すごーい!』
大きさは竿之真と優劣は無かったが、黒光りをしながら隆々と天を向くそれは、まさしく天下人の持ち物だと言えた。
竿之真とお満はお敏の声に釣られ、実正はその2人の気配に釣られてそれを見た。
「ははぁ」
その威光の前に、実正と竿之真は思わず平伏し、
「はぁん」
お満は割れ目の中に指を差し込んだ。
(そうであろう、そうであろう)
吉宗の威光に平伏す者と、興奮して自慰をする者を前に、お露は満足の笑みを浮かべた。