お目見え、そして対決-2
「上様もそうだが、おぬしも一体何を言っておる?母のお敏殿は、とうに亡くなっておろう。どういう事じゃ?」
どうやら、自分以外はこの状況を理解している。そう感じた実正は、竿之真の非礼を咎めるよりも、将軍を交える中で、自分だけがこの状況を把握していない事に焦りを覚えていた。
「はっ。百聞は一見にしかず。姉上、殿に見せて差し上げなされ」
赤玉の呪いを受けた者に触れると、見えざるモノが見えるようになる。竿之真は、男の自分が藩主の手を取るよりも、ここはお満に任すべきだと判断した。それ以前に、吉宗を前にした母親の動向の方が気になって仕方がなかった。
「あい」
素直に頷いたお満は、着物の裾を割ると、恥ずかしげに顔を背けながら、足を西洋の文字の『M』の字に開いた。肌襦袢も腰巻きもしていないもろ出しだ。湿り気で密着した陰毛の無い割れ目がくぱあっと開いた。
「殿、あたしのおまんこはこのように、濡れておりまする」
「お、お満…」
息を飲む藩主の気配と、突然漂ってきた牝の香りに、嫌な予感がした竿之真が、横をちらりと目を移した。
「わあっ!違う違うっ!殿に母上の姿を見せろと言ったのですぞ」
「あっ、そうでしたか。てへぺろ」
「あ、姉上、頼みますよぉ」
お満が勘違いするのも無理は無かった。何故なら、ここ最近の竿之真の要望は、卑猥な事ばかりなのだ。
「殿、お手を拝借いたします」
実正の手を取ったお満は、胸の合わせを開いて片乳を出すと、その手を乳房に導いた。
驚く実正だが、男の条件反射でそのまま乳首を摘まんだ。
「ああん、こ、これで母が見えまする」
「姉上、何してるんですか!そうじゃないでしょ!」
お満が自ら乳首に導いたのだ。その藩主の手を払い除ける訳にもいかない。竿之真は声を上げて止めるしかなかった。
「えっ?これじゃなかった?殿、申し訳ありません。こっちだそうです」
お満は、実正に詫びてから、乳首を摘まむその手を割れ目に導いた。
「指を曲げて、おまんこの割れ目に淹れてください」
驚く実正だが、男の条件反射でそのままクチュクチュと弄った。
「あぁ、そ、そうです…。ああん」
恍惚の表情を浮かべる姉に、竿之真は目を剥いた。
「違うっ!!」
お満が勘違いするのも無理はなかったその弐。何故なら、お久音に赤玉を見せた時に、お久音の割れ目を弄った事があったからだ。お満には、それが刷り込まれ効果になっていた。
「うーん、あたしが殿のおちんちんを触るんだっけ?」
「殿も何をされてるのですか?上様の御前ですぞ」
頭を捻るお満を無視し、竿之真は声を潜めつつ、且つ、強めの口調で実正の耳元に囁いた。
「あっ!」
お満の雰囲気に巻き込まれた男は、周りが見えなくなる。しかし、今の実正にとって、それは命取りだ。将軍の前での失態は、最悪の場合、切腹の上でお家断絶。一気に血の気の引いた実正が、吉宗の方に顔を向けると、それが目に入った。
「ま、まさか、お敏か…」
そこには、かつての亀立小町が浮かんでいた。しかも、間もよく、丁度吉宗に奉仕するために、手で割れ目を開いたばかりのお敏が、実正の呟きに反応して振り返った。重力に縛られない霊の振り返りは、上体だけでなく、股間ごとそちらに向けられる事になった。