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オンナ狂 神谷鉄平
【OL/お姉さん 官能小説】

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フェミニンマインド、大飛躍-7

「か、神谷くん…?」
ある程度気持ちを一区切りした為か、不思議と鉄平に対する怒りの感情は湧いて来なかった都姫。そんな鉄平を見て心の中のモヤモヤがスッと消え、そして何故か待ち侘びていた恋人に再開したかのような気持ちになった。
「諦めちゃうんですか?」
鉄平はみんなに向かってそう言った。
「だって、生産が出来ないんじゃ、仕方ないでしょ?」
夕梨花が鉄平に対して珍しく低い声で言った。
「フェミニンマインドを大きく、大きくするチャンスじゃないんですか?」
「そ、そうは言っても、どこも作ってくれなくて…」
乙葉が今にも泣きそうな顔をして言った。だがみんなとは相反するような自信満々な表情をしている鉄平に、都姫は何となく希望が見えたような気がした。
「俺を拾ってくれたフェミニンマインドへの恩返し、させてもらいます。」
「恩返し…?」
みんなの表情に変化が見られた。それは暗黒の世界にほんの少し光が見えたかのような、小さな希望が芽生えたからだ。そして鉄平はフェミニンマインドに眩しいばかりの光をもたらした。
「一ヶ月、工場を借りる事が出来ました。」
「えっ…?」
全員が耳を疑った。
「キャパは一日1万着製造可能な工場です。」
「えっ?ええっ…!?」
1日1万着と言ったら相当大きな工場だ。そんな工場があるのかとみんなが疑問に思った。
「場所は少し離れた隣の副島県ですが、マンダーアーマーの工場を一ヶ月借りられる契約を取ってきました!」
「マンダーアーマー…!?」
マンダーアーマーと言ったら、最近急成長のスポーツウェアメーカーだ。県内と隣の副島県に何ヶ所か工場がある全国区の大手企業だ。そんな大企業の工場を一ヶ月借りられるなど、夢のような話だった。
「しかもそこは配送センターも兼ね備えてあり、出来次第お客様へのお届けも迅速に出来ます。そのセンターも使っていいと言って貰ってます。」
「え…?」
都姫でさえ絶句した。だがそんな好条件を大手企業がなぜフェミニンマインドに…、そう思った。
「俺、飛び込みでプレゼンしたんです、マンダーアーマーの女社長に。マンダーアーマーは最近君塚美羽という女社長が就任したのはみんな知ってると思うけど、マンダーアーマーは男性用ウェアが主力で、女性用ウェアは他メーカーに比べて弱い部分。今後君塚社長は女性用ウェアに力を入れていきたいとの話を聞く耳にして、フェミニンマインドと組めばきっと今までにない女性用スポーツウェアが出来る、それを提案し、たまたま前回、今回のフェミニンマインドの企画がバカ当たりしたんで、あちらの社長もそれを知っていて、手を組んでくれる事になりました。君塚社長も今回のCEOの企画に注目していたらしく、是非会いたいとの事で、今日の午後にここに来て正式に契約をする事になりました。」
一気に説明する鉄平に、都姫をはじめ全員がついていけず、ポカーンと夢物語を聞いているような顔をしていた。


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