夜-3
数分後
俺もサトコにタオルで目隠しされた。
そのときの 俺の背中に 胸の膨らみらしき感触があり
俺は やっぱりドキドキしてしまう。
同じようにユウヤも・・・。
タオルで視界を奪われた。
思っていたよりしっかりと目隠しされて
少し目元が痛い・・・。
「これでいいわね・・・・じゃあ、本当に真っ暗にするよ」
サトコの足音が小さく移動していく・・・。
そして かすかに感じられていた灯り 階段のアプローチライトが消されてしまった。
「準備できたわ・・・女子は 今から 適当な場所に移動して」
「適当な？」
チカの質問が 近くで聞こえた。
声を頼れば チカの方向は 意外と容易くわかる。
視力を失うと 聴覚の集中力が上がるのかもしれない。
「うん 適当よ 二階に上がるとか無しで この広間の どこかでじっとするの」
「それ以降 女子は動いちゃいけないってことか」
「そう！どの男子が来ても 逃げちゃダメ」
「あ！もし！一人の女子のところに 男子が二人とか来ちゃったときは？」
「なるほど、、、、その時は 先に来た男子が優先で」
「シャワーの順番 待ってる間 俺たち何して待ってたらいいんだ？」
リュウさんが 少しワクワクした口調で話す。
たしかに 女子の二人きりで
ただ待ってるだけなんて
なさそうな気がした・・・・。
「そうね・・・・暗いから 何しててもわからないかもね」
ユキのその言葉に 意味がある気がした・・・。
「コンドームは 見えるところに無いとわかんないでしょ？」
「俺はさっきのゴム持ってるから すぐでも合体できるけどな」
「わ・・・・リュウ先輩・・・・最低」
「俺は 持ってないぞ！持っとけば良かったな」
「そうだ！この広間に適当にばらまいておこう！ゴム見つけたら・・・」
少しシンヤの声が スケベ風になった。
「逆に言うと 見つけられなかったら そこまでって事ね」
サトコは少し意地悪く笑ってから
何か作業を始め
広間に 何かをばらまいた・・・・。
「脱衣所にも ゴム置いておくから・・・」
サトコは何かを手に取り 音を少し鳴らした。
一通り 言いたいこと聞きたいことが終わったのか
少し沈黙してしまっていた。
エアコンの室外機の音と かすかに虫の声が聞こえていた。
「はい！今から始めるよ！女子は移動！次に静まり返ったら 男子は女子を探すのよ！」
サトコのその言葉を最後に みんなが言葉を止めた。
そして
一人 また一人
かすかな足音をさせながら 部屋のあちこちに移動していくのがわかる。
が
本当に どこに誰が移動したのかわからなくなった・・・。
もう少し チカの位置からの足音に集中しておけばよかった。
そんな後悔をしているうちに
俺の近くにいたはずのシンヤが 移動を始めてしまった。
そのあと ユウヤも ゆっくり移動を始めたようだ。
本当に何も見えない・・・。
困っていても仕方ない。
感で チカを探すしかない・・・・。
俺は 手のひらを床につけ
膝をつきながら
とりあえず 前進してみた・・・・。