女らしく【19】『終幕と終劇と終演』-3
「似合いマセンネ♪」
スッパン!
博士の頭を思いっきりひっぱたいた。
うん!軽快ないい音だな♪
「嘘デス…似合いマスヨ…ピッタリデス…ウーン…びゅうてぃふる!」
黙れ、マッド!
嘘丸出しじゃねえかよ!
「とにかく、中入らない?久しぶりの寮よ♪」
撫子さんに促され、みんな歩き出した。
「変わらないな…」
「変わらないよ…みんな…あの頃から…」
最後尾を大和と共に歩く。
「なあ…オレ達ってこれからどうなってくのかな?」
大和に一つの質問を投げ掛けた。
「…分からないな…」
大和はしばらく考え、ポツリと言った。
「過去は振り返れば一本の道だけど、未来はたくさんに枝分かれした道だから…
けど、これだけは言える…」
大和が足を止めた。オレも大和の隣りで立ち止まる。
「何があっても、俺とマコトはずっと一緒だ」
大和は微笑みながら言った。穏やかな、心休まる笑み…
「大和…」
ちゅっと唇同士が触れ合う。誰も見ていない。
「ずっと一緒だぞ…大和♪」
大和の言うとおり、オレがこの先どんな道を選んだとしても…
その先が終わりのない暗闇だとしても…
絶望と無明の世界だとしても…
オレは歩き続ける。
オレの隣りに、大和という暖かな光が有る限り。
オレはこれからも大和と共に生きていく。
「大和…愛してるぞ♪」
何時までも…
何処までも…
女らしく…完。