その7 調教される演歌歌手(画像付き)-2
久しぶりのインタビューに、
少し緊張していたみやびはほっとした。
「お疲れ様でした、喉が渇きませんか?
ワインなど、いかがでしょう……」
金城はみやびを見つめ、親しみを込めて言った。
みやびはその彼の言葉が嬉しかった。
「そうですか、それならばお言葉に甘えて、少しだけワインを
いただこうかしら」
ワインが好きなみやびは彼に言われて頷いた。
彼女は、さっきから喉が乾いていたからである。
そして、金城に勧められるままに
運ばれてきたワインで二人は乾杯をした。
乾いた喉にワインは美味しかった。
彼女はワイン好きで知られている。
金城は事前にそのことを調べていたようだ。
時間のなかで、みやびは途中でトイレに行きたくなってきた。
「あの……わたし少し酔ったみたいです。お化粧直しに行ってきますね」
「そうですか、どうぞどうぞ」
金城は実はこの時を待っていた。
彼はみやびが席から見えなくなると、素早くカバンの中から何かを取り出して、
みやびのワイングラスの中にそっと入れた。
それからも、トイレから帰ってきたみやびと金城の会話は続いていた。
アルコールの好きなみやびは、
彼が勧めるままに飲んだワインが効いたらしく、急に睡魔が襲ってきた。
こんなことは、今までにはあまりなかった。
「ごめんなさい、急に眠くなってきました、少し横にならせてくださいね」
「どうぞどうぞ、お疲れになったのでしょう、少しお休み下さい」
「では少しだけ、失礼します」
みやびはソファで横になり、ぐったりとしていた。
彼女が初対面の人の前で、このようなことは初めてだったが、
襲いくる睡魔には勝てなかった。
それが金城という男の狙いだったのを、みやびは知らなかった。