もう探らない-5
再び会議室に帰って来た若菜とマギー。ニヤニヤが止まらない若菜を睨みつけるマギーだが、どこか姉妹喧嘩のような感じに見える。
「で、捜査の話に戻すけど、1番は田口徹が所持していた麻薬とお金の行方。まず田口が1人で高田コーポレーションが名前を変えたR4コーポレーションに流れ、それが佐川健吾により宗教団体フレアに辿り着いた。佐川が海老川優里に撃たれて絶命した後、警察が麻薬もお金も押収はしたけど予測よりも全然少なかった。その残りのお金や麻薬を誰かが隠し持ってるはず。この流れから言うと西進不動産が怪しい。そして一連の事件、麻薬の流れが繋がっているとすると、西進不動産爆破事件から現在に至るまで繋がりを持つ人物…それは山田優子。そもそもこの捜査は佐川明子と小渕愛子を全裸張り付けにした犯人を見つける為の捜査。YourTubeだのビッツコインだの色々捜査して勉強になったのはいいけど、REVOLUTORという存在に振り回されて過ぎたかも知れない。張り付け事件から始まった捜査で最終的に西進不動産と山田優子に辿り着いたなら、佐川明子・小渕愛子と西進不動産・山田優子の繋がりを捜査すべきかも知れないわね。その関係性が明らかになれば、拗れた紐は解けるような気がするし。これからは西進不動産は私達、マギーと森山君は山口元治と佐川明子と小渕愛子の捜査の方に加わって?捜査の指揮は引き続きマギーがとって。」
「分かりました。」
会議は終わりマギーと森山は山口元治らの捜査に加わった。
「さて、山田優子ね。爆破事件では見事なまでに被害者面してくれてたけど、ばけのツラ剥がしてやるわ。」
「上原さんは山田優子が黒幕と?」
「かも知れないし、違うかも知れない。ただ一連の報告を聞いていて怪しい匂いがプンプンするわ。殺人犯である真田竜彦と金沢の元同僚。そいつらと仲良くやってたのも気になるし、汚い手を使って業績を伸ばしていた2人と張り合っていい業績を収めてたってのも引っかかるし。彼女も何か汚い手を使ってたんじゃないかと。それに、何かしらの理由があって2人が邪魔になりあの爆破を起こして消そうとした、とも考えられる。だけど真田がフレアにより連れ去られた事が山田優子にとって誤算だった、とか。色んな可能性はある。本当に山田優子は真っ当なやり方で業績を上げていたのか、そうでないのか、それを捜査する。」
「分かりました。」
華英は邪念を振り払い、若菜の自分に対する愛情に答えるつもりであった。