読モデビュー-1
そして夏に向けてのホームページリニューアルのミーティングの日が来た。いつもはまとめ役としてそのミーティングの物申す的な役割をしている都姫だが、今日は物を申される立場だ。朝から憂鬱で仕方がなかった。
10時になりいよいよミーティングが始まる。今日の取りまとめ役は夕梨花だ。夕梨花自身、都姫がどんなファッションを身につけるか興味津々だった。
「では来月の7月ホームページリニューアルのミーティングを始めたいと思います。今回は鉄平君プロデュースの企画になりまる。モデルはCEO。以上です。」
その言葉に都姫は驚く。
「え?他の企画は…?」
「ないです。CEOだけです。」
「え…」
都姫は他のスタッフも参加し、その中でアラサー世代の夏のファッションを提案する企画だと思っていた。それが自分だけと知りますます不安になった。
「今回はファッション特集と言うより、CEOのグラビアって感じでの企画です。ねっ?鉄平くん?」
「はい。大人の攻めファッションを提案しつつも、ここはこのフェミニンマインドの知名度を上げる事も含み、会社の飛躍もかけた企画にする予定です。そして我が社には素敵で素晴らしいCEOがいる。我が社の顔です。それを使わない手はない。今回は社運をかけてこの美しきCEOとともにこのフェミニンマインドの名を一気に広めるチャンスです。だからCEOのグラビアには120%の力を注ぐつもりなので、皆様、ご協力の程、お願いします!」
全員から割んばかりの拍手が巻き起こる。
「ち、ちょっと…勝手に…」
都姫の不安そうな声は大きな拍手に掻き消される。
「では早速CEOには攻める30歳代のファッションに着替えて貰います。さ、行きますよ?」
「で、でも…」
鉄平は都姫の腕を引き、更衣室に使う第二会議室に向かう。第二会議室に入ると、都姫が困惑した表情で言った。
「グラビアとか、無理だよ…。誰もオバさんのグラビアなんか見たくないよ…」
「オバさんかどうかは世間が決める事ですよ。それに俺の女を見る目には間違いありません。いいですか?CEOは百戦錬磨の俺をムラムラさせる女なんですよ?自信持って!」
「い、いや…」
「…グダグダ言ってると間違ったフリしてホームページにあの夜の写真、載せちゃいますよ?」
「そ、そんな…」
「あの写真が載るか、服着た写真が載るか、どっらちがいいかわかるでしょ?」
「…」
「だからやるしかないっスよ。」
鉄平は立ち竦む都姫の背後に周り背後から手を回してブラウスのボタンを外し始める。