宝探し-1
「そういえば 生ゴミどこにおいてるんだ?」
リュウさんがユキの胸元を気にしながら聞いた。
「玄関に袋にまとめてあるから、それをキャンプ場の受付付近のゴミ収集所に持って行ってね」
サトコは 階段の上から見下ろしながら叫んだ。
「え!!それ、もしかして 人の居るところ、行くんだよな」
リュウさん・・・ すこし暗い声になった。
「そうなるね!変な場面他人に見られたら合宿終了かもよ!」
サトコは意地悪を含めたような口調で笑っていた。
「1時間あるんだろ?早く捨てて戻ってきて ここで宝探ししてもいいんだよな」
「・・・・・うん、作業終わってるなら 自由時間にしていいよ」
サトコの声が 素 になった。
そんなやり取りを聞きながら
俺とリエさん
ユウヤとチカの四人で
流しの前に立った。
「アキラちゃん近いから 安心だよ」
チカはすぐ近くで笑っていた。
が 気になるのは リエさんだ。
さっきから 一言も話さない。
「ユウヤ?リエさんと なんかあったのか?」
「えと・・・・なにもないけど」
俺の質問に ユウヤが困った様子で答えた。
「宝探しって、しないとダメなのかな?」
チカは 真顔で俺たちに聞いてくる。
確かに 宝が見つからなかったとしても ペナルティはないはず
このまま作業して 雑談で時間を待ってもいいかもしれない。
幸い この4人は パートナーを入れ替えただけの状態
目の前で お互いのパートナーを探りあうのも 勇気がいるだろう。
「えと・・・・じつは、早く宝探さないと・・・すこし困るかも」
ユウヤが 赤面しながら つぶやいた。
「?どういうこと?あ、ユウヤ、私にエッチなことしたいんでしょ?」
チカは咄嗟に胸を隠してかけたが ギリギリ踏ん張った。
「・・・・アキラ先輩、下拵え前に 宝、探してくれませんか?」
ユウヤが真顔で話している。
いいのか?リエさんを俺に触らせて・・・・
そう思っている間も
そのリエさんは 一言もしゃべらない。
「・・・・わかった、後で怒るなよ」
「すいません・・・」
「アキラちゃん・・・嫉妬させないでよ」
チカが俺に向かって頬を少し膨らませた。
「チカちゃん、今のうちにグラス洗っちゃお」
ユウヤは流しに立ち 水を出し始めた。
「わかったよ、わ、水出しすぎ!はねてるって」
チカたちが流しを占拠している今
俺とリエさんは そのすぐ後ろで向かい合わせで立っていた。