第三十一章 悪夢(画像付)-1
第六部 悪夢
第三十一章 悪夢
『あ、あぁ・・・・』
圭子はか細い声を漏らした。
その怯えた眼差しは、逆光に影になっている男を眩しそうに見つめている。
『ご気分はどうですか?』
シルクハットの男が優しい口調で言った。
ヘッドフォン付のマイク越しに、薄笑いを浮べる唇が歪んで見える。
『う、うぅ・・・』
起き上がろうとしたら、拘束されている事に気づいた。
(か、身体が・・・・動かない・・・・。)
両手と両足が、椅子に縛りつけらている。
制服姿の圭子は足を大きく広げられて、チェックのスカートが隠しているものの、危うくパンティーが見えそうになっていた。
『こ、ここは・・・?』
顔を上げ、辺りを見廻すのだが強いライトの光でよく分からない。
『さて、お名前からお聞きしましょうか?』
男は何でもないような口調で聞いている。
『ええっ・・・?』
(何を言っているの、この人・・・?)
戸惑いの表情は、必死に理由を探していた。
『ああっ・・・』
だが、眩しさに慣れてくると浮かび上がった異様な光景に声を漏らした。
薄暗い闇の中でギッシリと人の顔が並んでいる。
どれも好奇心一杯の表情で、ギラツイタ視線を投げてくる。
舞台らしい所にいるのか、自分の周りを取り囲むように革の独特なコスチュームに身を包んだ屈強な男二人と女が睨んでいる。
どの顔もシルクハットの男同様、ニヤついた笑みを浮べながらジッと見つめていた。
『い、いやぁ・・・』
ようやく異変に気づいたのか、圭子は悲鳴をあげた。