２）アラフィフおばさんの独り言-2
更衣室からスタジオに戻ると、真ん中に真っ白なマットが敷かれていて、そこを真っ白なライトが照らしていました。
カメラマンに言われてマットに乗ると、裸足の足の裏が少し沈んで、でも少し硬くて、何だか現実感がありません。
そして、バスローブを脱ぐように言われて、急に心の中だけ現実に戻されました。これを脱いだら、私は素っ裸になってしまうからです。
今までに、男の人、１人の前でも脱いだことが無いのに、今、全部で７人ぐらいの男の人に囲まれています。
少しもたついていると、スカウトマンが近くに来て手を伸ばすので、私はどうする事も出来ずにバスローブを脱いで渡しました。でも、急いで立ったまま股を閉じて両手で押さえました。
胸も、腕に押されながら、半分隠れました。
すると、カメラマンに、カメリハして肌の色合いを見るから、横になる様に言われました。
私は、前を隠したまま仰向けになりましたが、直ぐに両手を真横に拡げる様に言われました。
周りを男性に囲まれて、抵抗する事も出来ずに、私は恥ずかしさに耐えながら、それでも股をぴったりと閉じながら、両手を左右に拡げました。
そのとき、みんなから おおっ と声が上がった瞬間を、今でも覚えています。
カメラマンが、胸が大きいねえ、乳首が小さくてきれいだねえ、白人みたいな乳暈（にゅううん）だねえ、ピンクだねえ、と、褒めてるけど恥ずかしい… 今ならセクハラな言葉が続きました。
でも、カメラマンから、下半身をもっとリラックスしてよ、カメリハしたいから９０度まで開いて、と言われて、心臓が止まるかと思いました。
私が直ぐには動けないと、スカウトマンが、じゃあぼくが手伝おうか、と言って、私の足の方に来たので、わたしは焦って、自分から開きました。
すると、胸の時よりももっと大きな おおっ が起こりました。
カメラマンが小型ライトを持って、私の脚の真ん中に来ました。そして照らしながら、ガニ股にしてもっと角度を開いて、と命令しました。私は恥ずかしさを通り越して死にそうでしたが、もう抵抗は出来ないのは分かっていたから、伸ばしていた膝を曲げて、大きく１８０度くらいに股を拡げました。
カメラマンが、つるんつるん、だねえ、剃ってる跡も無いけど、これどうやってるの？と聞いてきました。
私は正直に言うしかありませんでした。
すると、ふーん、貴重だねえ、と言いながら、私の股間の真ん中から、何度もシャッターを切りました。
私は、今、自分が、男の人の前で丸裸で大きく股を開いて、そこを写真撮影されているという事が、頭では分かっているのに、その頭が付いていけない感じでした。
その後は、もう言われるがままにポーズを取らされて、シャッターを切られました。
四つん這いで開脚したり、『Ｉ字バランス』をさせられたり、とにかく開脚ポーズばかりでした。
やがて、ビデオ撮影もしておこう、と言って、ポータブルのビデオカメラを出して、撮影が始まりました。
また、仰向けになってガニ股に開くと、そのまま オナニー をする様に言われました。
恥ずかしい話ですが、オナニーはした事がありました。でも、オナニーする様に言われて直ぐに始めたら、私が普段から オナニー をしている事がバレると思って渋っていると、またスカウトマンが、手伝おうか、と股間に近づいてきたので、私は慌てて オナニー を始めました。
しばらくすると、カメラマンに、本気でやってね、と言われて、私はいつも家でしている様にしました。
スタジオは静かなので、やがて、私の指が動くと ぐちゅぐちゅ と音が響き始めました。
すごく恥ずかしいけど、カメラマンが、もっと響かせて、と言って止めさせてくれません。
恥ずかしいから本気になるはずが無いのに、いつの間にか、恥ずかしさを忘れる為に本気になっていたみたいで、途中からしばらく記憶が無くて、逝った後で我に返りました。
その日の写真から、雑誌で使える物を選んで、ヌードが載りました。見るのが怖かったけれど、何が載ってるのか分からない不安の方が大きくて、出来上がった雑誌を見てみると、他のモデルと同じ様な股間の全く写っていない普通のヌード写真ばかりでした。
股を開いたり、オナニーした時の撮影は何のためなのか、その頃は分かりませんでした。
その後も、定期的に撮影があって、毎回、オナニーのビデオを撮影されました。
そして、流れの中で、１８歳の終わり頃に、宿泊撮影のときに社長に処女を奪われて、その後はグラビアだけじゃなくてＶシネマにも出る様になりましたが、２１歳の時に、このままだと頭打ちだから、と言われて、ＡＶの話が来ましたが、それは出来ないので断ってモデルは辞めました。
頭打ちになるのは、その頃、１０代でヌードをしていた子たちに共通の悩みで、いくらかわいくてスタイルが良くても、ヌードの印象が強くなると、そこからはなかなか抜けられなくて、その後にタレントに成れたのは本当に一握りの人だと思います。
私は、その後は幸いにも、普通のモデル事務所に雇ってもらって、チラシとかの、あまり顔が映らないモデルをしたり、事務の手伝いをしたりして、何とか地味に生活してきました。
私生活では、お付き合いした男性も少しはいましたが、いずれも縁遠くて、２０代後半から今までの２０年以上も、全く男っ気がありません。
そんな中で、４０歳の頃に、気まぐれにブログを始めてみると、１０人ぐらいから反応があって、覚えてます、とか、ファンでした、とか書き込まれて、とてもうれしく思ったので、今はヌードモデルした事が少しだけ やってよかった と思えています。
本当に、こんなちょっとした反応で、そう思える自分にびっくりしています。