投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ハツミ
【OL/お姉さん 官能小説】

ハツミの最初へ ハツミ 42 ハツミ 44 ハツミの最後へ

ダイチ 〜4th story〜-15

「ダイチ〜!仕事終わった??」
誰かに許可を得る事も無く、店のスタッフルームへと入り込んでいた棗が訊いた。
『も〜少し!ちょっとだけ待ってて!』
あと残り僅となった仕事の伝票をヒラヒラと振って見せ、俺は棗に答えた。
「よし、頑張れっ!!」
棗はそう俺を励ますと、俺のすぐ隣の椅子に腰を降ろした。

『終っわりぃ!』
手早く仕事を済ませ俺がそう宣言すると、その声を聞き付けた霧島が顔を覗かせた。
「お疲れ様です!…って棗ちゃん?!なんでこんな所に?」
店のスタッフしかいないはずの場所にいる棗の姿に、霧島は驚きの表情を見せた。

「んふふ、それはね!」
霧島にそう切り出した棗は自らの左手をかざし、嬉しそうに笑った。
そのかざした手の薬指には、霧島のひいきにしているとある有名シルバーブランドのリングが光る。
「CHの6mmスペーサー??」
シルバーのアクセに関しては多大な知識を誇る霧島は即座にリングの名称を答えた。
「おっ!しかもForeverタイプ!」
流石霧島と言った所だろう。指輪に刻まれた刻印を読み取り、霧島は他にも沢山の種類がある指輪のタイプまでもズバリ言い当てたのだ。
「で、それに何の意味が?」

―ニブイ!!―

俺は心の中だけで叫び、肩を落とした。
出来る事ならば彼女の示したリングだけでも事情を察して欲しい物だ。
俺に背を向けている棗が溜め息をつくのが感じ取れた。
『霧島、これなぁんだ!』
俺は霧島の視線を此方に向けさせ、棗と同じ様に左手をかざしてみせた。
そう、そこには棗と同じリングが光る。
「あぁぁぁぁあ!!」
予想以上のでかい霧島のリアクションに、俺も棗も思わずにんまりと笑った。


恋の始まりから1週間、俺は幸せの真っ只中だった。
互いに無くてはならない存在となった俺達はこの1週間でそれぞれの恋を愛へと変えていた。
そして俺が彼女に《Forever》の名を持つリングを贈ったのはつい昨日の事だった。

「そゆこと!」
棗は驚く霧島に明るく言った。
『Foreverは恋人に贈るリングの代表格だろ?気付けよ!』
笑いながらそう言う俺を振り帰り、棗はそっと囁いた。
「永遠、だもんね♪」

そう、俺は棗と共に過ごす永遠を願って《Forever》を贈った。

『あぁ、永遠だ♪』
俺はそう囁き返し、これ以上無い笑顔を向けた。


誰かを愛するという事の幸せさを教えてくれた棗を、俺は一生大切にしよう。


―棗、ありがとう。―
―愛してる。―


ハツミの最初へ ハツミ 42 ハツミ 44 ハツミの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前